アフリカ最古の湖に生息する魚、シクリッドの多様性が、生物の進化の謎を解く手がかりになるかもしれない。
カワスズメ科の魚類であるシクリッドに関しては、何もかも並外れたことばかりだ。
中部アフリカと東アフリカの境に位置するタンガニーカ湖に生息する種だけでも、970万年の間に、単一の祖先からおよそ250もの種が進化したと考えられている。
そのなかには人間の幼児ほどの体長になる種も、小指ほどの長さしかない種もある。砂地に手の込んだ“舞台”を作って繁殖相手を引きつける種もあれば、ハーレムを形成する種もある。彼らの多くは子の面倒をよく見るが、時には自分の卵を食べてしまうことも。シクリッドは爆発的な多様化を遂げ、タンガニーカ湖内のほぼあらゆる環境に適応してきた。
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