ブースター接種を受けていれば、早く陰性になる?

 理論的にはそうなる、と専門家は言う。2021年12月23日付けで医学誌「New England Journal of Medicine」に発表された、デルタ株とアルファ株を含むいくつかの変異株(ただしオミクロン株は含まれない)に感染した人々の研究によると、ワクチン接種を受けていたがブレイクスルー感染した人々は平均5.5日でウイルスを排出しなくなったという。これに対してワクチン未接種者は、ピーク時のウイルス量がワクチン接種者と同じであっても、ウイルスを排出しなくなるまでに7.5日かかっていた。また、ワクチン接種を済ませた人は、オミクロン株を含む新型コロナウイルスに感染したときに重症化しにくいという研究結果も出始めている。

「ワクチン接種により免疫系がウイルスの影響を減らす準備が整うため、感染したときに重症化したり入院したりするリスクが小さくなることは確かです」とウェザーヘッド氏は言う。「そのことが、抗原検査の結果が陽性から陰性になる期間の短縮につながるかどうかについては、まだデータがありません」

自己隔離終了には検査で陰性になる必要がある?

 公衆衛生の専門家の多くはその方が良いと考えているが、CDCは一貫して、検査で陰性になってから自己隔離を終了するというやり方は推奨しないとしている。

 ポーランド氏は、政策的な判断か個人的な判断かによって答えは違ってくると言う。集団レベルで考える場合、人に感染させる可能性のある子どもが学校に行かないようにするためには、検査結果が陰性になっていることを要請することは理にかなっているかもしれない。

 しかし個人の生活においては、自分のリスク許容度や周囲の人々のリスクの大きさによって、何を選択すべきかが変わってくるとウェザーヘッド氏は言う。「ワクチン接種を受けていない人や、基礎疾患があって重症化のリスクが高い人が周囲にいる場合は、検査を受けて陰性になっていることを確認してから自己隔離を終わらせるか、5日ではなく10日間自己隔離する方がよいかもしれません」

検査で陰性の人もマスクは必要?

 ポーランド氏によれば、健康で、ワクチン接種を受けている人であれば、重症化したり、入院したり、死亡したりするおそれは劇的に小さくなるという。しかし、オミクロン株に感染するリスクはそこまで下がらない。ポーランド氏は、オミクロン株の感染力の高さを考えると、家族以外の人々と屋内で集まるときはマスクをする方がよいと言う。

 カラン氏は、多くの人が知らないうちに感染し、また、ほかの人に感染させるおそれがあると言う。マスクをすれば、無症状の感染者から感染が広まるのを遅らせることができる。

 最終的には、自分の健康状態、リスク許容度、ワクチンの接種状況、地域社会の感染状況などを考慮して、マスクをするかどうかを判断する必要があるとウェザーヘッド氏は言う。「一般的に、全員がワクチン接種済みで、無症状で、PCR検査の結果が陰性であれば、リスクは低く、特に屋外で集まる場合にはマスクを着用する必要はないでしょう。基礎疾患がある人や、重症化するリスクが高い人は、周囲の人がワクチン接種済みであってもマスクを着用しつづけてよいと思います」

オミクロン株に感染しているか、どうすればわかる?

  全米規模の監視システムを使って流行中の変異株のサンプリングを行っているCDCが1月5日に発表したデータによると、米国では現在、新規感染者の95%以上がオミクロン株に感染している。しかし、デルタ株はまだ残っており、家庭でできる検査ではどの変異株に感染しているかはわからない。

 どの変異株に感染した場合も、「私たちにできるのは、自分のリスク許容度を見きわめ、ほかの人々を守るように心がけることだけです。感染力の高い変異株が流行している時期は特にそうです」とウェザーヘッド氏は言う。「そのほかには、ワクチン接種を受け、マスクを着用することで、感染リスクをさらに小さくすることができます」

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