卵の中にほぼ完全な恐竜の赤ちゃんを発見、鳥に類似

孵化する前のニワトリとそっくり、進化の手がかり

2021.12.24
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新たに見つかった「英良ベビー」は、孵化直前の姿勢のまま化石化していた。(ILLUSTRATION BY LIDA XING)
新たに見つかった「英良ベビー」は、孵化直前の姿勢のまま化石化していた。(ILLUSTRATION BY LIDA XING)
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 7000万年前、今にも殻を破って卵から出てきそうな恐竜の赤ちゃんが、何らかの理由で土に埋もれ、やがて化石となった。(参考記事:「巨大な卵の中の赤ちゃん恐竜、新種だった」

 西暦2000年、中国の石材採掘会社「英良石材集団」がこの卵の化石を発掘したが、それから15年間放置されたままになっていた。ところがある日、誰かが卵の表面に入った亀裂の間から、小さな骨がのぞいていることに気付いた。

 卵の中から出てきたのは、ほぼ完璧に保存された恐竜の胚だった。この発見は、12月21日付の学術誌「iScience」に発表された。(参考記事:「孵化前のティラノサウルス類の化石を発見、初」

「あまりにきれいに保存されていたので、思わず自分の目を疑いました」と、カナダのカルガリー大学の古生物学者で、論文の著者の一人であるダーラ・ゼレニツキー氏は話す。同氏は、恐竜の卵を専門に研究している。

「英良ベビー」と呼ばれているこの赤ちゃん恐竜は、オビラプトロサウルス類に属するとわかった。およそ7000万年前のものと推定される岩の中から見つかったが、はっきりした年代はわかっていない。オビラプトロサウルス類は、約1億3000万年~6600万年前に生きていたくちばしを持つ獣脚類で、現代の鳥類に近いグループとされる。そのため、鳥類と共通する特徴が多いが、発見された赤ちゃんにも、鳥によく似た特徴があった。孵化直前の体を丸めた体勢だ。

「7000万年以上前の、生命が誕生する直前の姿を垣間見ることができるとは、驚きです。現生鳥類の祖先が獣脚類であるという証拠は、現時点で山のように積み上がっています」と、米ノースカロライナ自然科学博物館の古生物学部長でノースカロライナ州立大学の研究者でもあるリンジー・ザンノ氏は語る。

次ページ:見たことがないほど保存状態の良い恐竜の胚

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