コスタリカが海洋保護区を一挙拡大、ココ島国立公園を27倍に

「水中のジュラシック・パーク」、同国の海の30%を保護海域へ

2021.12.23
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 この島は海流の屈曲部に位置しており、豊富な海洋生物が暮らしている。少なくとも3種の鳥類、2種の魚類、2種の爬虫類は、地球上のほかの場所では見ることができない。

 ココ島国立公園内にはこのほか、200種の植物や魚、400種以上の昆虫、100種以上の鳥類、クジラ、イルカ、アシカなどが生息している。特にサメは豊富で、絶滅危機にある3種を含む14種がここで暮らしている。(参考記事:「過去最大級のサメ調査、サンゴ礁の2割でサメ不在」

「ここはサメの島として知られています」と語るのは、環境保護団体「フレンズ・オブ・ココス・アイランド」の代表、カルロス・マヌエル・ウリベ氏だ。「わたしが初めて海に飛び込んだときは、気がつけばサメに囲まれていました」

ココ島周辺の深い海を泳ぐギンガメアジの群れ。(PHOTOGRAPH BY GREG LECOEUR, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
ココ島周辺の深い海を泳ぐギンガメアジの群れ。(PHOTOGRAPH BY GREG LECOEUR, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

 一帯は39年前に保護区に指定され、1997年以降はユネスコの世界遺産にも登録されている。しかし、サラ氏率いるナショナル ジオグラフィック協会の「原始の海プロジェクト」が2009年に行った調査では、ここに暮らす生物たちが、付近で操業する漁船によって脅かされていることを報告していた。

 今回の新たな保護措置は、コスタリカが生物資産の保護に真剣に取り組んでいるというメッセージになるだろうと、同国の環境相アンドレア・メザ氏は言う。「違法な漁業者に対して、海の管理と監視が強化されるという明確なシグナルを送ることは非常に重要です。そのためには保護区の拡大が必要だったのです」

 広い範囲を網羅する「バイセンテニアル海洋管理エリア」では、管理された漁業が行われるが、その詳細についてはまだ検討が行われている。一方、範囲の狭いココ島周辺の国立公園では漁業は禁止となる。

アカシュモクザメの群れ。ココ島を取り巻く海域は、ヒレを目当てに漁獲されるサメにとっての避難場所となっている。(PHOTOGRAPH BY ENRIC SALA, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
アカシュモクザメの群れ。ココ島を取り巻く海域は、ヒレを目当てに漁獲されるサメにとっての避難場所となっている。(PHOTOGRAPH BY ENRIC SALA, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

紙上の保護区にしない

 2021年11月に英国グラスゴーで開催された国連気候変動会議では、コスタリカ、パナマ、コロンビア、エクアドルの4カ国が、東太平洋の広さ50万平方キロメートルの範囲を保護することで合意した。(参考記事:「気候変動にどう立ち向かう? COP26で問われていること」

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