犬の足の速さを競う大会、2021年の優勝はウィペット、米国

時速57キロで100ヤードを駆け抜ける、昨年の記録を更新

2021.12.23
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3歳のオスのウィペット、リースが全米最速犬競技会で優勝した。(Photograph by Mark L. Baer/MLBaer Photography)
3歳のオスのウィペット、リースが全米最速犬競技会で優勝した。(Photograph by Mark L. Baer/MLBaer Photography)
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 2021年12月17日、米フロリダ州で行われた第2回全米最速犬競技会で、白とブロンドの毛を持つオスのウィペット「リース」がライバルたちを制し、優勝した。

 3歳のリースは、100ヤード(約91メートル)を5.769秒、時速にすると57キロで駆け抜け、昨年の記録を0.5777秒も更新した。昨年優勝した雑種の救助犬「フェラン」の優勝タイムは6.346秒、時速52キロだった。今年の競技会には154犬種、250匹が参加。昨年開催された第1回の倍以上の数だ。フェランもタイトル防衛を狙ったが、記録は6.485秒で5位だった。(参考記事:「全米で一番速く走る犬は? 最速の犬を決める競技会2020」

 競技会を主催したアメリカンケネルクラブ(AKC)は、この競技会を「AKCファストCATインビテーショナル」と呼ぶ。CATは、猟犬としての能力を競う「コーシング・アビリティ・テスト」のこと。この大会では、一連の競技会によって最優秀犬「ベストインショー」が選ばれている。

 ファストCAT競技では、週の前半に予選が行われ、2つの部門で決勝進出者が決定した。1つめはすべての犬種で純粋に速さを競う「ピュアスピード」部門、2つめは同じ犬種の平均スピードと比較して何%速いかを競う「犬種最速犬」部門で、それぞれ上位10位が選ばれた。

 ウィペットは、英国原産のサイトハウンドと呼ばれる視覚の優れた猟犬のグループに属し、グループの代表的な犬種グレーハウンドを祖先に持つ。ウィペットはグレーハウンドに比べて小さいが、スラリとした体と穏やかな気質を受け継いでおり、非常に速く走ることができる。(参考記事:「クイズ:グレーハウンドと同程度の速さで走れる動物は?」

 しかし、リースは足が速いだけではない。

「何でも喜んでします」と話すのは、飼い主でインディアナ州在住のリンジー・グラスさん。リースはダイビングやフリスビー、バーンハント(わらの中に隠したネズミ入りの筒を探す競技)なども好きだという。ただ今回のイベントでは、ファストCATに集中するため、これらの競技には参加させなかった。この決断は成功だったようだ。

 犬種ごとに上位の2匹が決勝レースに参加した。決勝レースでは、犬はそれぞれ100ヤードを3回走り、その平均タイムが最終速度とされた。

 このイベントでは、AKCに登録されている1歳以上のイヌであれば、雑種も含めすべてが参加できる。「どんな犬でも挑戦できます。これはアピールポイントだと思います」と、AKCの広報・コミュニケーション担当副理事長、ブランディ・ハンター・マンデン氏は話す。

 マンデン氏によれば、ファストCATの面白さのひとつは、種々様々な犬種が参加しているのを見られることだ。例えば、バセットハウンドがグレーハウンドの後についてトラックを走っていたり、ペキニーズがグレートデーンを追っていたりするかもしれない。

参考ギャラリー:米国伝統の犬レース、最後の日々 写真と図解22点(画像クリックでギャラリーへ)
参考ギャラリー:米国伝統の犬レース、最後の日々 写真と図解22点(画像クリックでギャラリーへ)
米国で100年の歴史をもつグレーハウンドのレース。かつては大変な人気を博したが、ドーピングや不正な殺処分といった問題が相次いだ結果、動物愛護団体などの反対運動により法改正が行われ、レース場は閉鎖されることになった。写真19点、図解3点とともに紹介する。(写真=ERIKA LARSEN)

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