系外惑星の謎を解く宇宙望遠鏡、いよいよ打ち上げ

ハッブル後継のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、太陽系にない惑星の成り立ちに迫る

2021.12.21
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

系外惑星の大気成分を解き明かす

 ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、目的地の宇宙空間に到着してから約半年後に観測を始める。系外惑星が主星と望遠鏡の間を横切るとき、一瞬、惑星の大気が後ろからくる星の光に照らされる。その星の光の中に、大気の痕跡がないかどうか調べるのだ。

 ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が初期に観測する系外惑星の多くは、「ホット・ジュピター(熱い木星)」と呼ばれるタイプの巨大な惑星だ。ホット・ジュピターは、太陽系には存在しないが、これまでに発見されている系外惑星の中では最も一般的で、ほんの数時間から数日で主星の周りを回っている。(参考記事:「太陽系外の巨大ミラー惑星、新手法で60個の候補」

 太陽系で見られないもう1つの興味深いタイプの系外惑星に、地球より大きく海王星より小さな「スーパー・アース」または「ミニ・ネプチューン」と呼ばれる半端な大きさの惑星がある。(参考記事:「隣の恒星に新たな惑星発見か、スーパーアース級」

 ドイツ、マックス・プランク天文学研究所のローラ・クライドバーグ氏は、「これらの惑星は、ハッブル宇宙望遠鏡では観測できませんでしたが、既知の系外惑星の中では最も多いタイプの1つで、非常に重要です」と言う。「どのように形成されるかはわかっていません。文字どおり、大きめの地球のような岩石惑星なのか、小さめの海王星のようなガス惑星なのか、それとも地球や海王星とは全然違った惑星なのかも不明なのです」

 主星から非常に近いところにある、焼けた炭のような高温の岩石惑星の観測も行う。こうした惑星では、岩石や鉱物でできた雲が溶岩の雨を降らせ、想像を絶する景観を作り出していると考えられている。クライドバーグ氏は、「LHS 3844b」という系外惑星の表面の組成を調べ、わずかでも大気がないかどうか確認したいと考えている。

「岩石惑星の観測は、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の真価が問われるところだと思います」とクライドバーグ氏は言う。「大気はどのような条件下で存在するのでしょうか? 惑星がどこまで高温になると、大気は失われてしまうのでしょうか? 惑星に大気があるとしたら、その基本的な構成要素は何なのでしょう? これらは、生命の痕跡以前の、ごく基本的な疑問です」

 地球からそう遠くないところにある「トラピスト1」という惑星系の地球サイズの7つの岩石惑星の観測も行う。これらの惑星は木星ほどの大きさの小さな恒星の周りを回っており、そのうちの3つは生命が居住できる程度の温度であると考えられている。(参考記事:「【解説】地球に似た7惑星を発見、生命に理想的」

次ページ:惑星の写真を撮る

会員向け記事を春の登録キャンペーンで開放中です。
会員登録(無料で、最新記事などメールでお届けします。

会員登録(無料)のメリット

  • 1ナショジオ日本版Webの
    無料会員向け記事が読める
  • 2美しい写真と記事を
    メールマガジンでお届け

おすすめ関連書籍

ビジュアル 銀河大図鑑

この上なく美しく、どの本よりも詳しく、誰にでもわかりやすい。大人も子供も楽しめる、本格的な宇宙図鑑! 〔日本版25周年記念出版〕

定価:6,930円(税込)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加