南北米大陸のなかでも屈指の熱帯雨林を守る取り組みが、大きな進展を見せている。2021年4月、自然保護団体「ネイチャー・コンサーバンシー」が中心となった保護団体の連合が、中米ベリーズの北西部にある熱帯雨林約1000平方キロメートルを購入した。ベリーズ・マヤ森林保護区を設立するためだ。
これにより、世界有数の生物多様性を誇る森を、伐採や開発から救うことができる。効果はそれだけにとどまらない。新たな保護区は、隣接するリオ・ブラボー保護管理区(RBCMA)とつながることで、メキシコ南東部からグアテマラを経てベリーズまで、野生動物にとっての貴重な回廊が確保されることになる。
こうした保護区を合わせれば、ベリーズの陸地の10分の1近くが保護されることになる。それにより、ベリーズの国獣であるバクをはじめ、ホエザル、400種以上の鳥、中米最大規模のジャガーの個体群など、この地域の多様で危機に瀕した野生動物たち欠かせない生息地を維持できる。現時点では、エコツーリズム活動が充実しているのはリオ・ブラボー保護管理区のほうで、2つの宿泊施設があり、ガイドツアーが行われている。
(PHOTOGRAPH BY DIEGO ACUÑA, EYEEM/GETTY IMAGES)
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※「いつか訪れたい旅先25 2022年版 もう一度旅に出よう」ほか、旅の記事は「旅・文化の記事一覧」でまとめてご覧いただけます。
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