マンモスとゾウのハイブリッド作成計画、米で始動、気候変動対策

寒さに強い遺伝子操作ゾウで凍土の保護を、米スタートアップが発表

2021.09.15
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ギャラリー:復活する絶滅種 画像6点(画像クリックでギャラリーページへ)
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「更新世パーク」の未来予想図。マンモスなど氷河時代の大型草食動物とシベリアのステップ地帯は、持ちつ持たれつの関係にあったと生態学者のセルゲイ・ジモフは考える。動物は草を食べるが、その糞が土を肥やし、ひづめで地面を耕していたおかげで、草原が維持されていたという。(ILLUSTRATION BY Raul Martin SOURCE: Sergey Zimov, Northeast Science Station; Nikita Zimov, Pleistocene Park)

「更新世パーク」へようこそ

 チャーチ氏が初めてハイブリッドマンモスへの思いを深めたのは、2008年、ケナガマンモスのゲノム解析についてニューヨーク・タイムズ紙のインタビューを受けた時だった。

 その後、リバイブ・アンド・リストアを創立したスチュアート・ブランド氏とライアン・フィラン氏に出会い、協力するようになる。ブランド氏とフィラン氏は、バイオテクノロジーを使って絶滅危惧種の数を増やし、さらに絶滅してしまった種を復活させるという研究に取り組んでいた。

「脱絶滅、そして私たちが遺伝子レスキューと呼ぶ概念は、希望の物語であり、数百年間にわたって人間が与えてきた損害の一部を修復できるということです。ノスタルジアではなく、生物多様性を拡大させることなのです」と、フィラン氏は話す。

 チャーチ氏は、ブランド氏とフィラン氏の招きで、2012年と2013年に米ワシントンD.C.のナショナル ジオグラフィック協会本部で開催された世界初の脱絶滅に関する会議に参加した。

 その席でチャーチ氏は、ロシアの生態学者で、ロシア連邦サハ共和国の町チェルスキーにある北東科学基地所長のセルゲイ・ジモフ氏に出会う。1980年代からシベリアの永久凍土を研究しているジモフ氏は、その融解に伴って大量のメタンと二酸化炭素が大気中に放出されるだろうと警鐘を鳴らしてきた。

 しかし同時に、その炭素をどうやって地中に留めておくかについて、ジモフ氏はあるアイデアを持っていた。それを検証するため、1996年に息子のニキータ氏とともに、チェルスキーに近いツンドラの土地に、フェンスで囲った「更新世パーク」を開設した。そこへ、シカ、バイソン、トナカイ、フタコブラクダなど大型の草食動物を導入して、動物たちが大地へ与える影響を調べている。

ロシア北部に作られた現在の「更新世パーク」。湖と湖の間を縫うようにして、緑豊かな自然が広がっている。(Photograph by Katie Orlinsky, Nat Geo Image Collection)
ロシア北部に作られた現在の「更新世パーク」。湖と湖の間を縫うようにして、緑豊かな自然が広がっている。(Photograph by Katie Orlinsky, Nat Geo Image Collection)
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 数万年前の更新世の頃、ヨーロッパ、アジア、北米大陸の大部分は、肥沃な草原に覆われ、多様な草食動物が所狭しと歩き回っていた。ところが1万年前には、おそらく狩りなどの人間による影響もあり、世界各地でマンモスを含む多くの大型草食動物が絶滅する。草を食べることで草原の環境を維持していた動物たちがいなくなると、灌木や背の高い樹木、コケが生え始め、緑豊かだった草原は現代のようなツンドラやタイガに取って代わられた。

 肥沃な草原を維持するためには、マンモスが欠かせなかったのではと、ジモフ氏は考えている。巨大な体で木を倒し、土を掘り返し、排泄物で栄養を与え、草の成長を助けた。さらに、重い足で雪と氷の大地を踏みしめ、北極圏の冷たい空気を永久凍土の奥深くまで押し込んでいたのだろう。

 更新世パークにはマンモスはいないが、フェンスの中に現在放されている草食動物たちが、既に大地の再生に貢献している可能性がある。2020年3月に学術誌「Scientific Reports」に発表されたジモフ氏らの論文によると、冬の間、更新世パークの踏み固められた土は、公園の外の土と比べて温度が6℃以上低くなる可能性が示された。

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