海面が上昇し、異常気象、森林火災が増えている。こうした状況に、「気候変動による脅威が増加している」と考える米国人が半数近くに達していることが、最新の調査で明らかになった。
また、「住む場所を決める際にこういった問題を考慮する」という米国人も3分の1を超えた。
この調査は、ナショナル ジオグラフィックと米国の調査会社モーニング・コンサルトが、7月1日から3日にかけて、米国の成人2200人を対象に行ったものだ。

米国西部の住民は今、記録的な猛暑と干ばつ、そして森林火災の渦中にあるが、今回の調査結果は彼らの声とも一致している。
「転居を考えていますが、その決め手となるのは気象災害が一番起きにくい場所です」と、カリフォルニア州在住のアンドレア・ベン氏は話す。「ウィスコンシン州への移住は考えたことがありませんでしたが、今はその可能性もあると思っています。カリフォルニアでの生活は気に入っていますが、ここで生活を続けるのは難しくなると思います」
全米省庁合同火災センター(NIFC)による7月18日の報告では、米国の13州80カ所で森林火災があり、総面積は約4700平方キロに達しているという。森林火災の煙による影響を受けている人は、数千万人に及ぶ。(参考記事:「一面がオレンジ色、カリフォルニアで相次ぐ森林火災」)
今回の調査では、若者と高齢者の半数以上(18〜34歳の51%と65歳以上の52%)が、気候変動の脅威が増加していると回答した。全体では48%の米国人がそう考えており、32%がこれまでと同程度と答えている。
地域別に見ると、「気象を考慮して住む場所を選ぶ」と回答した人は、米国北東部(39%)と西部(42%)に多かった。ただし、これらの地域に都市在住者が多い(52%)ことも影響している可能性がある。
「気象を考慮して住む場所を選ぶ」と回答した人の数は、黒人(44%)とヒスパニック(51%)の方が白人(33%)よりも多かった。(参考記事:「激増する森林火災、火災に適応した森も再生できない恐れ」)

「気候変動の脅威は増加」と考える米国人が48%に達することがナショジオの調査でわかった。背景には干ばつや森林火災といった異常気象による影響がある。
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