コロナ下で女性の雇用回復が遅れ、貧困も増える ゲイツ財団報告

なぜ女性の方が男性より雇用の回復が遅れているのか、解決策はあるのか

2021.07.03
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ストリートアーティストのアレックス・マルティネス氏がかばん店に描いた壁画の前を通るマスク姿の女性。ギリシャ、アテネで撮影。男性より女性の方が多く働く小売などの業界では、パンデミックによる営業停止の影響が長引いている。(PHOTOGRAPH BY PETROS GIANNAKOURIS, AP)
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 パンデミックが女性に与えた不釣り合いな経済的損害は「女性不況」とも呼ばれ、多くの人を驚かせている。だが、そもそも女性たちが弱い立場に置かれた原因は、長年にわたる不平等にあるようだ。 (参考記事:「コロナと闘う女性ヘルスワーカー、350万人が劣悪な状況、インド」

 ゲイツ財団は2021年6月30日、国連ウィメンの「平等を目指す全ての世代フォーラム」と共同で、ユーラシア・グループと国際労働機関(ILO)による調査結果を発表した。この中で、なぜ世界中の女性が大きな打撃を受け、さらには雇用回復も遅れているかを明らかにした。 (参考記事:「「貧困への逆戻りが起きる」ビル・ゲイツ氏に聞くコロナ下の世界」

 ゲイツ財団ジェンダー平等部門の責任者を務めるアニータ・ザイディ氏は「この状況は北半球に限った話ではありません」と話す。「世界中で起きていることです」

 ゲイツ財団が発表したデータによれば、パンデミック中は男女とも同等の割合で職を失ったが、再就職した割合は女性の方が少ない。女性の雇用者数は2021年、2019年より1300万人減少する見込みだ。

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 雇用格差の主な理由の一つは、いまだロックダウンの影響を受けているのが、小売、観光、ホスピタリティー、レストランなどの業界で、しかもこうした業界で女性が多く従事してきたことがある。

 もう一つ大きな理由が育児だ。学校や保育園が閉鎖されて、子供の世話をするために、仕事を辞めざるを得なくなった女性たちがいる。パンデミック前、1日9時間以上を育児に費やす女性は全体の4分の1だったが、パンデミック下の現在はその割合が全体の3分の1まで増えている。

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