コンゴのニイラゴンゴ火山が噴火、なぜこんなに危険なのか?

時速60キロ以上で迫る溶岩、窒息もたらす二酸化炭素を大量に排出

2021.05.27
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2021年5月23日、溶岩に囲まれた建物。背景に見えるのが、噴火したニイラゴンゴ火山。(PHOTOGRAPH BY MOSES SAWASAWA, AFP VIA GETTY IMAGES)
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 5月22日の夜遅く、コンゴ民主共和国の東部に位置するニイラゴンゴ火山の岩肌に亀裂が走り、柔らかい溶岩が流れ出して、勢いよく斜面を下り始めた。その一部は、わずか10キロしか離れていない人口150万人の街ゴマへ向かった。

 場所によっては3階建ての建物ほどの高さにまで達した溶岩は、夜空を明るく照らしながら近隣の村々を襲い、道路を埋め尽くした。行く手を阻む建物はすべてのみ込まれ、炎に包まれた。5月25日の時点で15人の死亡が確認されているが、その数は今後増えると見込まれている。

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 ニイラゴンゴ山は、頂上の火口に永続的な溶岩湖がある世界でも数少ない火山の一つだ。落ち着いたためしがなく、1977年と2002年にも噴火して、大災害を引き起こした。1977年には、溶岩に襲われて600~2000人が死亡したとされている。2002年には、ゴマの5分の1が破壊され、12万人が家を失い、火傷、二酸化炭素による窒息、溶岩の引火によるガソリンスタンドの爆発などで、250人が死亡した。

 こうした過去の経験から、ニイラゴンゴが少しでも目を覚ましそうな兆候を見せると、火山学者たちに緊張が走る。ベルギー、テルビューレンにある王立中央アフリカ博物館のジオハザード(噴火、地震、津波などの地質的および地球物理的災害)の専門家ベノワ・スメッツ氏は、「アフリカで最も危険な火山の一つです」と話す。

 ニイラゴンゴ山はなぜそんなに危険なのか。それは、いくつもの条件が重なり合っているからだ。この地域の複雑な地質のおかげで、溶岩は恐ろしく流動性が高く、時速60キロを超える速さで移動する。また、噴火すると致死的な二酸化炭素が大量に排出され、周辺に住む数百万人の住民へ襲い掛かる恐れがある。

次ページ:「本当に恐ろしい噴火を起こす能力を持っています」

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