2021年は、米国で周期ゼミが大量発生する年だ。17年ぶりに出現するその集団は「ブルードX(テン)」と呼ばれ、合計数兆匹が羽化すると言われる。(参考記事:「自然の驚異を楽しみたい、17年ごとに大量発生する米国の周期セミ」)
周期ゼミの中で発生する年が同じものをまとめて「ブルード」と呼ぶが、今年のブルードXには、3種のセミが属している。米国東部を中心に発生するが、場所によって、3種とも現れるところもあれば、ある種が優勢なところもある。
ブルードXに属するセミがどの種かを見分けるには、下腹部を見ればいい。オスもメスも、オレンジ色の縞模様の有無とその太さで識別できる。
オス、メスともに、羽化してからの寿命は短い。しかし目的は共通で、繁殖相手を見つけ、子孫を残すことだ。セミが盛んに鳴くのもそのためで、求愛するオスが声を合わせて鳴くことで、遠くにいるメスを引き寄せることができる。
鳴き方は種によって異なり、Magicicada septendecula のオスは、短い音を連続してたてる。
Magicicada cassiniはまた違った鳴き方で、大きな音のあと、短い音が何度も繰り返される。鳴き方の違いから、メスは同じ種のオスを見つけて繁殖できる。
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