世界に鳥は何羽いる? 種ごとの推定から求めた初の研究結果

非常に野心的で大規模な仕事、いわば「世界の鳥の数ランキング」の発表

2021.05.19
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
米ニューヨーク、ブルックリンのブッシュウィック地区上空に飛び上がるハトの群れ。ここにはいったい何羽のハトがいて、世界には何羽の鳥がいるのだろうか。その答えを探る新たな論文が発表された。(PHOTOGRAPH BY GEORGE MCKENZIE JR)
米ニューヨーク、ブルックリンのブッシュウィック地区上空に飛び上がるハトの群れ。ここにはいったい何羽のハトがいて、世界には何羽の鳥がいるのだろうか。その答えを探る新たな論文が発表された。(PHOTOGRAPH BY GEORGE MCKENZIE JR)
[画像のクリックで拡大表示]

 あの大群にはいったい何羽のツバメがいるのだろう? 朝日の中で旋回するミドリツバメの群れを目撃した生物学者のコーリー・キャラハン氏はそう考えた。2015年、米国フロリダ州エバーグレーズ北部の湿地帯でのことだ。そして、世界全体ではいったい何羽の鳥たちがいるのだろうか?

「強烈な体験でした」とキャラハン氏は言う。好奇心にかられた氏は、まず自分が目撃したばかりの群れに鳥が何羽いるのかを確かめてみた。群れの写真を撮り、画像のさまざまな部分の鳥の数を数え、そこから群れ全体の数を割り出してみると、その数は50万羽を超えていた。

 世界中にいるすべての鳥の数を数えるには、当然ながらこれよりもはるかに手間がかかる。それでも数年後、少なくとも妥当な範囲としてでも、キャラハン氏は世界で初めて種ごとのその具体的な数を見積もる作業に着手し、5月17日付けで学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」にその結果が発表された。

 新たな論文において、オーストラリア、シドニーにあるニューサウスウェールズ大学に所属するキャラハン氏とほか2人の研究者は、地球上には500億から4280億羽の鳥が生息しているとの推定値を示している。

 数値の範囲が非常に広いのは、さまざまな不確定要素があるためだ。そうした要素としては例えば、空を飛ぶ大量の小さな動物を数えるのは困難であること、鳥が移動する範囲が広くて不明瞭なこと、世界の多くの地域で科学的データが不足していることなどが挙げられる。

 この研究は、専門の科学機関と市民科学者の両方が収集したデータとを組み合わせた独自の方法を用いて、世界の全鳥類種の92%をカバーしている。世界の鳥の数を種ごとに推定しようという初の試みについて、キャラハン氏は、こうした研究はもっと早く行われるべきだったと考えている。「わたしたちは人間の数を数えるのに膨大な時間と労力を費やしていますが、自分たちが地球を共有する多様な生物についても、きちんと把握しておく必要があるでしょう」

次ページ:世界の鳥の数ランキング

ここから先は「ナショナル ジオグラフィック日本版サイト」の
会員の方(登録は無料のみ、ご利用いただけます。

会員登録(無料)のメリット

  • 1ナショジオ日本版Webの
    無料会員向け記事が読める
  • 2美しい写真と記事を
    メールマガジンでお届け

おすすめ関連書籍

PHOTO ARK 鳥の箱舟

絶滅から動物を守る撮影プロジェクト

色も姿も多様な鳥たちの写真約350枚、280種以上を収録。世界各地の珍しい鳥、美しい鳥、変わった鳥など、まだまだ知られていない鳥を紹介します。

価格:2,860円(税込)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加