太古の地球にティラノサウルスはどれほどいたのか、研究

総個体数を推定、数百万年の間に25億頭が出現した可能性

2021.04.23
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地球上にどれくらいのティラノサウルスがいたかを調べた結果、200万〜300万年にわたり、常に約2万頭が生息していたらしいことがわかった。(ILLUSTRATION BY STOCKTREK IMAGES, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
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 6700万年前の米国モンタナ州にタイムトラベルしたら、ある暴君の支配域に入ることになる。その暴君とは、ティラノサウルス(Tyrannosaurus rex)だ。ただし、あの世界に足を踏み入れる前に知っておきたいことがある。ティラノサウルスはどれくらい近くにいるかだ。

 そんなことを知るのは不可能と思うかもしれない。しかし、ティラノサウルスに関する20年分の研究成果を基にした最新の論文が、ティラノサウルスの生息する密度(個体群密度)を導き出した。それによれば、ティラノサウルスは半径6キロ圏内に1頭の割合でいたと考えられる。東京都の広さなら20頭がいた計算だ。(参考記事:「ティラノサウルスから走って逃げることは可能」

 4月16日付けで学術誌「Science」に発表された論文はまた、この個体群密度をもとに、太古の世界でどれほどのティラノサウルスが生まれ、死んでいったかの総数も推測している。研究チームの試算によれば、およそ2万頭が同時に存在し、約12万7000世代にわたって存続したという。これらの数字から、北は米国アラスカ州、南はメキシコまで広がる北米の生息地に、200万〜300万年にわたり、合わせて25億頭のティラノサウルスが生息していたと結論づけた。

 ティラノサウルスの数を推定しようと試みた研究はこれが初めてではない。事実、今回の論文で示された個体群密度の中央値は約110平方キロ当たり1頭で、1993年に発表された推定値とほぼ一致する。しかし、今回の研究では最新の生物学の知見を取り入れ、個体数の上限と下限を推定しようとしている。

 今回の研究では、可能性のある値の組み合わせを少しずつ変えながら、多数のシミュレーションを行うことで、ティラノサウルスの総数は1億4000万頭から420億頭までの可能性があり、その中央値は約25億頭であることを突き止めた。また、同時に存在したティラノサウルスは1300頭から32万8000頭までの可能性があり、中央値は2万頭だったと結論づけた。(参考記事:「ライオンを数えるのはなぜ難しいのか?」

「ティラノサウルスについて知られているすべてのことを使い、個体群動態を解明しようと試みていることに、とても興奮しています」と、米オクラホマ州立大学ヘルスサイエンスセンターの古生物学者ホリー・ウッドワード氏は、第三者の立場で述べている。「これほどの規模で行われたことがないため、面白さと楽しさを感じています」

重い動物ほど、生息する密度は小さい

 この20年間で寿命(約28年)、成熟期に達する年齢(約15.5歳)、成長後の体重(平均約6.8トン)など、ティラノサウルスについて非常に多くの発見があった。これらのデータから、1世代の期間(19年前後)や平均体重を算出できる。(参考記事:「ティラノサウルスはこんな顔だった、最新報告」

 研究チームはティラノサウルスの個体数を知るため、生きた動物の体重と個体群密度の関係を利用することにした。体重が大きい生物ほど密度は小さくなるという平均パターンが存在し、ダムスの法則と呼ばれている。

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