ブタ(Sus scrofa domesticus)の一品種である「太湖豚(たいふうとん)」。中国原産で、垂れ下がった長い耳が特徴。米アイオワ州デモインのブランクパーク動物園で撮影。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
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 1972年当時、米国のエレン・スタンリーさんとメアリー・リン・レイブさん姉妹は、賢くて社交的な動物であるブタが正当に評価されていないと考えていた。そこで、3月1日をブタの日として祝うことにした。

 ブタの何を祝うのか、と思う人もいるかもしれない。祝うことはたくさんある。ここで紹介する驚くべき事実を知れば、決してブタをばかにしてはいけないことがわかるはずだ。

ありのままに

 ほとんどの人が想像するピンク色の姿は家畜のそれだ。しかし、国際自然保護連合(IUCN)のイノシシ専門家グループによると、17種ほどいる世界のイノシシの見た目はかなり異なる(分類には議論が多い。なおブタはイノシシが家畜化したもの)。

 たとえば、フィリピンに生息するフィリピンヒゲイノシシ(Sus philippensis)は、色が黒く、固い毛に覆われている。また、オスのビサヤイノシシ(Sus cebifrons)の顔には3つのいぼがあるが、実はこれは腫瘍やウイルスによる「いぼ」などではない。

米国にあるミネソタ動物園のビサヤイノシシ。学名はSus cebifrons。フィリピンに生息し、近絶滅種(critically endangered)に指定されている。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
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 これは皮膚の下にあるパッドのような「軟骨隆起」で、争いの際に鋭い牙から顔を守ると考えられていると、米フロリダ州にあるジャクソンビル動植物園(ここでは、ビサヤイノシシなどの近絶滅種が何種か飼育されている)でエグゼクティブ・ディレクターを務めるトニー・ベッキオ氏は説明する。アフリカに生息するイボイノシシ(Phacochoerus africanus)やアカカワイノシシ(Potamochoerus porcus)にいぼがあるのも同じ理由だ。(参考記事:「動物大図鑑 イボイノシシ」

 アフリカにすむ別の種、体重が約270キログラムになるモリイノシシ(Hylochoerus meinertzhageni)には、頰の部分に特徴的な隆起がある。おそらくこれは、森の地面でエサを集めるために使うものと思われる。

【動画】謎多き巨大イノシシ、撮影に成功
2018年6月22日 – ついに謎に包まれたモリイノシシの姿をとらえた。ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー、ラファエル・レイナ=フルタード氏は、モリイノシシが泥浴びして涼をとる場所を狙ってカメラトラップ(自動撮影装置)を仕掛け、撮影に成功した。(解説は英語です)

次ページ:【動画】絵を描くブタ「ピッグカソ」

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