ミモザの花蜜を吸うノドアカハチドリのオス。おそらくこの後、多くの花の蜜を飲んで回るのだろう。ハチドリは毎日、体重の2倍の量の蜜をとる。 (PHOTOGRAPH BY GEORGE GRALL, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
ミモザの花蜜を吸うノドアカハチドリのオス。おそらくこの後、多くの花の蜜を飲んで回るのだろう。ハチドリは毎日、体重の2倍の量の蜜をとる。 (PHOTOGRAPH BY GEORGE GRALL, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
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 何かとごちそうを食べる機会の多い秋。つい食べすぎてしまう、という向きも多いのでは。

 おいしいものに自然と手が伸びてしまうのも、食べすぎてしまうのもよくあることだ。けれど、人間以外にはどんな動物が大食いをするのだろうか?

休まずに10日間飛び続ける渡り鳥

 鳥は、海や砂漠を越える際、長時間休まず飛び続けなければならない。その前に多くの鳥が食いだめをする、と米オレゴン州立大学の野生生物生態学者ダニエル・ロビー氏はメールで教えてくれた。この激しい摂食を、科学者は「過食(hyperphagy)」と呼ぶ。

 体重あたりで言えば最も長い距離を渡る鳥の1つ、ズグロアメリカムシクイは、渡りの前にエネルギーを補給しないと深刻な事態に陥る。体重12グラムほどしかないこの小さな鳥は極北のアラスカで繁殖し、毎年、米北東部ニューイングランド地方に飛んでくる。そこで、大西洋の向こうのベネズエラに向けて休憩なしの80時間の渡りを行う前に、「脂肪を除いた体重と同じ量まで脂肪を蓄えて体重を倍増させる」と、ロビー氏は話す。(参考記事:「小鳥が自ら腸を吸収し3日間飛び続けることが判明」

 同様に、体重300グラムほどのオオソリハシシギは脂肪を蓄えて体重を倍増させ、アラスカからニュージーランドまで、休むことなく10日間も飛び続ける。これは、動物がノンストップで移動した距離としては最長記録だ。

 北極圏に生息するカラの仲間たちは、長い冬の夜でも凍えないよう、体温を保つのに十分な脂肪を蓄えるため、膨大な量を食べる。

 こうした鳥たちは、人間とは異なり、本当に食べすぎているわけではない。時には激しい運動を伴う長い絶食期間を乗り切るために、脂肪を十分に蓄えているのだ。

「その意味で、『過食』は多くの鳥にとって必要不可欠な適応なのです」とロビー氏は話す。

世界中を飛び回るオオソリハシシギは、たらふく食べてエネルギーを蓄え、アラスカからニュージーランドまで、休まずに10日間も飛び続ける。 (PHOTOGRAPH BY SAVERIO GATTO, ALAMY)
世界中を飛び回るオオソリハシシギは、たらふく食べてエネルギーを蓄え、アラスカからニュージーランドまで、休まずに10日間も飛び続ける。 (PHOTOGRAPH BY SAVERIO GATTO, ALAMY)
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