新型コロナワクチンのアレルギー、リスクは? 米CDCが報告

200万回を超える接種の結果、ファイザー製とモデルナ製の差、注意事項なども

2021.01.08
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ファイザー・ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンの準備をする看護師。新たな研究から、このワクチンで重いアレルギー反応が起きる率は非常に低いことが明らかになった。(PHOTOGRAPH BY HANNAH YOON, REDUX)
ファイザー・ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンの準備をする看護師。新たな研究から、このワクチンで重いアレルギー反応が起きる率は非常に低いことが明らかになった。(PHOTOGRAPH BY HANNAH YOON, REDUX)
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 新型コロナウイルスワクチンの接種が12月から始まった米国で、米製薬大手ファイザーが独ビオンテックと共同開発したワクチンについて、アナフィラキシー(命にかかわるおそれのある重いアレルギー反応)が起こるリスクは非常に低いことを米疾病対策センター(CDC)が6日に発表した。

 このワクチンは2回接種が推奨されているが、1回目の接種を受けた人のデータによると、アナフィラキシー反応を示した人の割合は平均すると9万人に1人程度にとどまっていることがわかった。これは、食べ物をのどに詰まらせて死ぬリスクの3%未満だ。

 季節性インフルエンザワクチンによる重いアレルギー反応は約76万9000人に1人の割合で発生しているので、ファイザー・ビオンテック製新型コロナワクチンのリスクはその約8.5倍ということになる。しかし専門家は、これはまだ小さな数字だと指摘する。先ほどの発表によると、米国では12月14〜23日に189万人が1回目の接種を受けたが、その99.998%以上はアナフィラキシーを起こさなかったことになる。

 このニュースは、ワクチンの接種に不安を感じている人には大いに参考になるだろう。ナショナル ジオグラフィックと米調査会社モーニング・コンサルトが12月に米国で実施した世論調査によると、米国人の10人に7人が新型コロナワクチンの副反応の可能性を警戒していると答えた。また、回答者の58%は、ワクチンが他の人々にどのような影響を与えたか確認してから接種を受けるとしていた。

 だが、CDCのデータを総合的に見ると、高齢者については特に、新型コロナの感染に伴う悪影響に比べればアナフィラキシーのリスクがはるかに小さいことがわかる。2020年10月の時点で、新型コロナ感染症は45歳以上の米国人の主要な死因の1つとなっており、自動車事故、自殺、殺人、偶発的な薬物の過剰摂取による死者数を上回っている。すでに米国人の1000人に1人以上が、今回のパンデミック(世界的大流行)で命を奪われている。

「CDCと米食品医薬品局(FDA)は、新型コロナワクチンは安全だと皆さんにお約束します」と、CDC国立予防接種・呼吸器疾患センターのナンシー・メソニエ所長は6日の記者会見で語った。「私自身、袖をまくり上げてワクチン接種を受ける日を楽しみにしています」(参考記事:「「9割に有効」のファイザー社ワクチン候補、発表を読み解く」

次ページ:モデルナ社のワクチンとのリスク差は? 全員接種すべき?

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