21日に木星と土星が大接近、ここまで近いのは400年ぶり

太陽系のダイナミックさを感じられる「グレート・コンジャンクション」

2020.12.16
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 だが、毎回同じような接近が起きるわけではない。2つの星の軌道は、厳密に同じ平面上にはない(もしそうなら、20年ごとに木星が土星を覆い隠すことになる)。通常は、数度の間隔をあけて通り過ぎるように見える。今年は、地球から見ればちょうど隣同士であるように見えるが、実際には何億キロも離れている。

 木星と土星がここまで接近するのは、1623年以来。これは、ガリレオが初めて望遠鏡を夜空に向け、木星の4つの衛星を発見した10年ほど後のことだ。しかし、このときは問題があった。米アリゾナ州にあるローウェル天文台のケビン・シンドラー氏は、「観測しにくかったはずです。2つの惑星が太陽に近い位置にあったからです」と言う(2000年に起きた前回のグレート・コンジャンクションも同様だった)。

「ここまで近く、さらに観測できるものとなると、1226年までさかのぼらなければなりません」。次にこの近さでコンジャンクションが起きるのは2080年だ。

躍動する太陽系

 歴史を通して、人類は惑星のコンジャンクションに注目し続けてきた。占星術的に重要な意味を持つ現象と考えられていたからだ。たとえば、14世紀英国の詩人ジョフリー・チョーサーは、叙事詩『トロイルスとクリセイデ』で、1385年のグレート・コンジャンクションについて「土星と木星がかに座で交わり、このような大雨が降り注いだ」と書いている。

 世界的な大洪水を予言した占星術師もいたが、もちろんそのようなことは起きない。だから、この天文ショーは安心して見ることができるし、写真を撮ることもできる。

 米ルイジアナ州立大学の天文学者、ブラッドリー・シェーファー氏は、「いい写真を撮りたければ、いい機材をそろえ、しっかり練習して十分に実験しておくことです」と言う。夜空の2つの点はスマートフォンのカメラでも撮影できるかもしれないが、デジタル一眼レフカメラや三脚に取りつけられるズームレンズを搭載したカメラのほうがいい写真を撮れるだろう。

「三脚は必要です。また、事前に撮影場所を計画しておいたほうがいいでしょう」とシェーファー氏は助言する。南西の方向に障害物がないことは確認しておこう。

 もし曇っていても、心配することはない。アリゾナ州のローウェル天文台を含め、たくさんの天文台がこのイベントをライブ中継している。

 ダンリー氏はこう話している。「毎夜観測すれば、太陽系のダイナミックさを感じることができるはずです」

参考ギャラリー:2019年のイチ押し宇宙画像 超新星から巨大ブラックホールまで 11点(画像クリックでギャラリーへ)
参考ギャラリー:2019年のイチ押し宇宙画像 超新星から巨大ブラックホールまで 11点(画像クリックでギャラリーへ)
2019年に発表された宇宙関連の写真から、荘厳なものを厳選してお届けする。 (Photograph by Christina Koch/NASA)

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文=DAN FALK/訳=鈴木和博

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