日本を含む14カ国が「持続可能な海の管理」合意、その大きな意味

健全な海に向け沿岸国が集まる、日本の参加が大きいと研究者

2020.12.10
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グレート・バリア・リーフを泳ぐコショウダイの群れ。オーストラリアは、自国が管轄する海の全てを保護すると宣言した14カ国の1つだ。(PHOTOGRAPH BY DAVID DOUBILET, NATIONAL GEOGRAPHIC)
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 日本を含む海洋沿岸国14カ国の首脳が、2025年までに、自国が管轄する海の100%を持続可能な方法で管理することで合意した。14カ国の対象水域を合計すると、ほぼアフリカ大陸と同等の面積になる。さらに14カ国は、2030年までに海洋の30%を保護するという、国連を中心とした目標を支持すると表明した。

 こうした海洋管理は、乱獲や違法な漁業を減らし、減少する魚資源を回復させ、プラスチックごみの流入に歯止めをかけ、農業廃棄物などによる「海のデッドゾーン」を減らすことに貢献するだろう。

 14カ国の首脳が、最初に世界の海の深刻な現状について議論を交わしたのは2018年後半のこと。当時は有益な結果に至るかどうかは未知数だった。14度の会議が計画されたものの、パンデミックのために延期せざるを得なくなるまでに実現したのは、わずかに2度だった。

 だからこそ2020年12月2日、今回の政策提言が発表されたことには大きな意味がある。合意に漕ぎつけたことは、新たな時代への希望を持たせてくれるものだ。

「実に面白いと思うのは、14カ国がこの2年、将来的にこうしたことがもっと行われればと思うような、実験的な話し合いをしてきたということです」と、米スミソニアン協会の海洋科学者ナンシー・ノウルトン氏は話す。氏は今回のプロジェクトには携わっていない。「この国々はチームとして動いています。まずは同じ考えを持つ者が集まってスタートすることは、現実的に何かを成功させるための有効な仕組みです」

「いつものメンバー」ではない

 参加している14カ国の顔ぶれは、多くの国際会議で見る国々とは違う。海外領土を多く持ち、世界最大規模の海洋面積を管轄するフランスは招待されていない。ロシア、中国、米国といった大国も同様だ。

「そういう国々と交渉するのは容易なことではありません」。ノルウェーの前気候環境大臣であり、このプロジェクトの立役者でもあるビダー・ヘルゲセン氏はそう話す。「政治に邪魔されず、やるべきことに集中できるようなグループを作ろうと決めたのです」

 ヘルゲセン氏が言うのはつまり、海が文化と歴史に深く根付き、似た考えを持つ国々を集めて、科学に裏付けられた議論を交わしていくということだ。

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 結果として「持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル」は、大きな国から小さな国、裕福な国からそうではない国まで、多様な国々から構成されることになった。多かれ少なかれ経済的に海に依存している国家ばかりだ。メンバーはオーストラリア、カナダ、チリ、ガーナ、インドネシア、日本、ケニア、メキシコ、ナミビア、ノルウェー、ポルトガル、そして島嶼(とうしょ)国家のフィジー、ジャマイカ、パラオの14カ国となった。

 合わせると世界の海岸線の40%、排他的経済水域の30%、漁獲量の20%、そして船舶の20%を占めることになる。

 首脳たちは現在、他の国々にも参加を呼び掛けている。

次ページ:最新科学が支える計画

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