ハロウィンの象徴、ジャック・オ・ランタンの歴史

なぜジャックなのか? いつからカボチャになったのか?

2020.10.31
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「ゴースト・ターニプ(おばけカブ)」の名で知られる、1900年代初頭のジャック・オ・ランタンの石こう像。アイルランドのカスルバー近郊にある「アイルランド国立博物館カントリーライフ館」の収蔵品。(PHOTOGRAPH BY NATIONAL MUSEUM OF IRELAND)
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 明かりをともしたジャック・オ・ランタン(かぼちゃのランタン)は、陽気で不気味なハロウィン定番の装飾だ。米国では、カボチャを彫ってジャック・オ・ランタンを作ることが秋の伝統になっている。

 ジャック・オ・ランタンはどのようにしてハロウィンの装飾になったのか? 彫られるようになったきっかけは?

 事実とフィクション、儀式や民話が絡み合うジャック・オ・ランタンの誕生秘話を紹介しよう。

ケルト人の儀式

 丸い果物や野菜で人の顔を表現するという発想は、数千年前のヨーロッパ、ケルト文化に端を発する。アイルランドの首都ダブリンにあるEPICアイルランド移民博物館の上級学芸員ネイサン・マニオン氏は「紀元前には、頭部を崇拝したり、敵の首を戦利品とする慣習がありました。これらのいずれかが起源かもしれません」と話す。「とても不気味ですが、切断した敵の首の象徴だった可能性があります」

 この風習は、ケルト人の祝祭「サウィン」によって深く根付いた。サウィンはもともと11月1日に行われていた祭りで、現代のハロウィンにさまざまな影響を与えている。サウィンの前日にあたる10月31日には、死者の魂がこの世に戻ってくると考えられていた。さまよう魂を追い払うため、人々は衣装をまとい、ビートやジャガイモ、カブといった季節の根菜に恐ろしい顔を彫った。

 マニオン氏によれば、実用的な目的もあったという。「金属製のランタンは高価だったため、人々は根菜をくりぬいて用い、やがて顔などのデザインを施すようになったのです。炎が消えず、穴から光が漏れるように工夫していました」

民話に登場した「けちなジャック」

 ジャック・オ・ランタンという言葉は、人を指している。辞書によれば、17世紀の英国では、名前のわからない男性を「ジャック」と呼ぶのが一般的だった。例えば、夜警の男性は「ランタンを持ったジャック」、つまり、ジャック・オ・ランタンと呼ばれていた。

参考ギャラリー:100年前のハロウィン 写真7点(画像クリックでギャラリーへ)
1905年、幽霊のコスチュームを身に付けた人がハロウィン用に飾り付けられたテーブルの前に立つ。当時は、写真にも写っているトウモロコシの茎や、野菜、木の枝や葉など、自然からヒントを得た飾りが多かった。(PHOTOGRAPH BY HISTORIC PHOTO ARCHIVE, GETTY IMAGES)

次ページ:カボチャが定番になったきっかけ

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