使用済みの衛星とロケットが宇宙で危うく衝突、距離25m未満

2万9000個以上の宇宙ゴミが周回、混雑する宇宙空間

2020.10.20
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現在、地球を周回する10cm以上の人工物は2万9000個もあると考えられており、将来の宇宙ミッションへの脅威となっている。(NASA)
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 地球のまわりを周回している小型車ほどの重さを持つ2つの宇宙ゴミが、地球の上空約990kmでニアミスした。両者の距離は25m未満だったと推定されており、もし衝突していれば、小さな破片が無数にできて、数十年にわたって他の人工衛星や宇宙船を危険にさらすおそれがあった。専門家たちはその確率を5~10%と見積もっていた。

 今回ニアミスした物体の1つは、1989年に打ち上げられたロシアの航法衛星(船舶や航空機に位置を知らせ航行を助けるための人工衛星)。もう1つは2009年に打ち上げられた中国のロケットの3段目、つまり1段目、2段目を切り離した後、衛星を軌道に投入する部分である。

 地球低軌道(高度2000km以下)の物体を追跡している米カリフォルニア州レオラブズ社(LeoLabs)の事前予想では、日本時間で10月15日午前9時56分、南極大陸沖の南大西洋の上空で、わずか12mのところをすれ違うとされていた。同社によると、2つの物体の合計質量は約2800kgで、相対速度は秒速14.7kmであるという。

ISSに危険は?

 この2つは、宇宙ゴミとしては非常に大きい。ロケットの3段目の長さは約8mもあり、人工衛星自体の長さは約5mだが、衛星を安定させるために長さ約17mのアームが突き出している。

 レオラブズ社の最高経営責任者であるダニエル・セパリー氏は、両者が正面衝突した場合、粉々になって破片が「地球を包み込むように広がっていく」と言う。また、飛び散った破片は、いつの日か高度が下がってきて大気中で燃え尽きるまで「何百年も上空にとどまる」ことになる。

 正面衝突ではなく、衛星のアーム部分だけがロケットと衝突する可能性もあった。米マサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天文学者ジョナサン・マクダウェル氏は、このような衝突の結果を予測するのは難しいと言う。

 それでもマクダウェル氏は「地球への脅威はありません」と言う。「破片は小さく、大気中で完全に燃え尽きるでしょう。いずれにせよ、ほとんどの破片は何十年も落ちてこないでしょうし、落ちてくるときには完全に燃え尽きるでしょう」

 当面は国際宇宙ステーション(ISS)への危険もなさそうだ。ISSは、破片が生じる可能性がある高度よりもかなり下の、高度約400kmのところを周回している。マクダウェル氏は「短期的にはISSに大きな危険が及ぶ心配はないでしょう」と言うが、長期的には破片の高度が下がってきてISSの軌道上にくる可能性がある。「そうなれば、ISSに降り注ぐ『雨』の量も増えるでしょう」

 ISSは、今年に入ってからすでに3回、近づいてくる宇宙ゴミを避けるための軌道変更マヌーバを行っていて、最近では9月下旬に実施している。

参考ギャラリー:小惑星、彗星 地球にぶつかったら大変な天体12点(画像クリックでギャラリーへ)
6600万年前、小惑星が地球に衝突し、鳥をのぞく恐竜たちほか数多くの生命を絶滅させた。人類の歴史で同様のことが起こるかはわからないが、太陽系では日々、様々な天体が飛び交っている。ここで、地球に衝突してほしくない太陽系の天体を写真で紹介したい。(PHOTOGRAPH COURTESY T. RECTOR (UNIVERSITY OF ALASKA ANCHORAGE), Z. LEVAY AND L. FRATTARE (SPACE TELESCOPE SCIENCE INSTITUTE), AND NATIONAL OPTICAL ASTRONOMY OBSERVATORY/ASSOCIATION OF UNIVERSITIES FOR RESEARCH IN ASTRONOMY/NATIONAL SCIENCE FOUNDATION)

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