イヌへの進化のきっかけ 人と遊ぶオオカミだった?

イヌの祖先の遊び好きな一面が、イヌの家畜化と品種の鍵になった

2020.09.28
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ハンガリアン・ビズラ。英スコットランドのクイーン・エリザベス森林公園で撮影。ハンガリアン・ビズラは狩猟者に同行し、獲物を見つけ、回収する役割を果たしてきた。(PHOTOGRAPH BY TONY CLERKSON, ALAMY)
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 ボールを追いかけたり、綱引きしたり、音の鳴るおもちゃをバラバラにしたり――イヌと遊んでいると、私たちも明るい気持ちになる。実際、イヌを飼っている人のほうが、ネコの飼い主よりよく笑うという研究結果がある。

 それだけに、イヌが人間と進んで遊ぶことがイヌの家畜化で重要だった、と聞いても意外に思う人は少ないのではないだろうか。2020年9月23日付で学術誌「Biology Letters」に発表された論文は、人類が特定の役割を持たせるためにイヌを品種改良するきっかけのひとつは、人と遊びたがることだったとしている。

 イヌが家畜化された時期、場所、そして方法については、研究者の間で議論が続いている。ただ、オオカミの祖先が人に接触したという点については異論がない。

 2万~4万年前のドイツあるいはシベリアで、どの種かは特定されていないが、オオカミが人の居住地周辺をうろつき始め、生ごみや食べ残しを得ていたと考えられている。オオカミは本来、臆病で用心深い。だが、群れのなかでそうした特質が少ない個体が人に接し、時間をかけて愛想が良く忠実なイヌへと進化して、私たちの心や家を温かくする存在になったと考えられている。 (参考記事:「イヌが人懐こくなった理由は「難病遺伝子」に」

 今回の研究の目的は、好奇心がより強くて遊び好きなオオカミの特徴が現在のイヌへと受け継がれているのか、そしてそうした特徴を意図的に残すように人が繁殖させたのかという点を明らかにすることだった。なお既に過去の研究で、オオカミの子は教えられなくても、人とボール遊びができることなどが確認されている。

「イヌが家畜化する過程で、人と喜んで遊ぶ個体は重要な存在だったと考えられます」と述べるのは、研究を率いたスウェーデン、ストックホルム大学の進化生物学者ニクラス・コルム氏だ。(参考記事:「犬は褒め言葉を人間に似た方法で理解している」

 現代の犬種の進化の関係を分析することで、アフリカ原産の狩猟犬であるバセンジーの祖先は、きっかけさえあれば人と遊ぶことが判明した。

 ハンガリアン・ビズラ、オーストラリアン・シェパードなどの牧畜犬も「群を抜いて遊び好き」(コルム氏)で、積極的に遊ぶことがわかった。

参考ギャラリー:愛すべき犬たちとの幸せな瞬間 写真28点(画像クリックでギャラリーへ)
妻を待つうちの子。(PHOTOGRAPH BY DJ SONZA, YOUR SHOT)

次ページ:種が違っても遊ぶイヌ

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