職場、教室、バス…新型コロナの感染リスクを算出

マイクロ飛沫による感染リスクをモデルで推定、行動のヒントに

2020.08.20
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 新学期に子どもたちは混みあう学校に登校できる? 友人との会食は安全? ジョギングにも注意が必要? 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)が続く現在、以前の日常の活動にも疑問や懸念の声が高まっている。

 だが、最近発表されたあるモデル化の取り組みが、ヒントを与えてくれるかもしれない。米コロラド大学ボルダー校のホセ・ルイス・ヒメネス氏が中心となって作成した以下のグラフでは、新型コロナウイルスの感染経路のひとつと考えられるマイクロ飛沫(エアロゾル)という微粒子による、さまざまな活動の感染リスクを見積もっている(編注:ベースは空気感染のリスクを推定するWells-Rileyモデル)。

[画像のクリックで拡大表示]

 咳をしたり、歌ったり、話したり、時には呼吸したりするだけでも、唾液はさまざまな大きさの飛沫として飛び散る。飛沫を放出した人に近いほど、ウイルスを含む大きな飛沫を浴び、それが吸い込まれたり目に入ったりする。

 だが、科学者たちの多くは、より小さなマイクロ飛沫の感染リスクについても懸念を強めている。マイクロ飛沫は空気中を漂うほどの微小な粒子で、室内を浮遊して感染の原因となるおそれがあるという。換気の悪い場所では空気中の数が増加し、感染リスクは最大になると懸念されている。先日、世界保健機関(WHO)は、状況によってはマイクロ飛沫を介した感染リスクを除外できないことを認め、新型コロナウイルス拡大におけるマイクロ飛沫の役割を徹底的に検証するため、さらなる研究が必要だと述べた。

「私たちは十分な情報は持っていません。でも、十分な情報を待っている場合ではないのです」とヒメネス氏は言う。

次ページ:感染率0.03%と3%ではどのぐらい?

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