コスタリカのノドジロオマキザル(Cebus capucinus)は、互いの鼻の穴に指を突っ込むなどの奇妙な行動をとる。(PHOTOGRAPH BY SUSAN PERRY)
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 コスタリカに生息する、あるノドジロオマキザル(Cebus capucinus)の群れでは、サル同士が互いの体毛を引き抜いたり、他のサルの鼻の穴に指を突っ込んだり、相手の口をこじあけたりする。こうした振る舞いに明らかな目的はなく、中には相手を不快にさせる行動や、危険を伴う行動もある。

 群れの中でもとりわけやんちゃな、ナポレオンと名付けられた個体の場合、ほかのサルの毛皮から毛の束を抜き取って、それを自分の口に入れているところを何度も目撃されている。

「相手のサルは自分の体毛を取り返そうと、ナポレオンの口をこじあけるのです」と、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の進化人類学教授であるスーザン・ペリー氏は言う。氏と同僚のマルコ・スモラ氏は、ノドジロオマキザルの独特かつ一見無益なこの行動について、6月29日付けで学術誌「Philosophical Transactions of the Royal Society B」に論文を発表した。

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 ペリー氏は、コスタリカのロマス・デ・バルブダル生物保護区にすむノドジロオマキザルを30年にわたり研究しているプロジェクトの責任者で、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーでもある。

 同国内の別の場所にすむノドジロオマキザルの群れでも、こうした行動はときどき見られるものの、ロマス・バルブダルのサルたちの間ではこれがとりわけ盛んなことにペリー氏は気がついた。氏が率いる研究チームは、ロマス・バルブダルにおいて、15年間で50頭以上の行動を約450件記録しており、この群れに属する個体の80パーセント近くが、ほかの個体とこの手のやりとりを少なくとも1回は行っていた。

 論文によれば、サルたちの奇妙な振る舞いは、絆を確かめるための儀式的な行動にあたるという。また、これほど多く記録された例は今回の群れだけであることから、これはオマキザルが独自に文化を発展させられる証拠にもなるという。

「絆の検証仮説」

 ノドジロオマキザルの脳と体の大きさの比率は、チンパンジーとよく似ている。これは一般に高度な認知能力と社会システムの存在を示唆していると、米ジョージア州立大学の霊長類学者、サラ・ブロスナン氏は言う。

 だからこそペリー氏は、不快な儀式に時間と労力を費やすことには、それなりの理由があるはずだと考えた。儀式的な行動の多くは反復的な一連の動作からなっており、明確な目的を持っていないものだ。

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