アリシア・ガルザ氏。2019年1月11日、米国カリフォルニア州オークランドにて。(Photograph by Erika Larsen, Nat Geo Image Collection)
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「Black Lives Matter(BLM、ブラック・ライブズ・マター)」運動の共同創始者であるアリシア・ガルザ氏が行動を起こそうと決意したのは、2013年7月のこと。17歳の黒人少年トレイボン・マーティンが射殺された事件で、ジョージ・ジマーマンが無罪判決を受けたことがきっかけだった。

 活動家兼作家として米国カリフォルニア州に拠点を置くガルザ氏は、判決への不満をフェイスブックに投稿。抗議の輪を広めようと訴え、投稿をこんな言葉で締めくくった。

“Black people. I love you. I love us. We matter. Our lives matter. Black lives matter.”(黒人の皆さん。私はあなたがたを愛しています。私は私たちを愛しています。私たちは尊重されるべきです。私たちの命は尊重されるべきです。黒人の命は尊重されるべきなのです)

 この呼びかけに、フェニックスのオパール・トメティ氏とロサンゼルスのパトリス・カラーズ氏(ともにガルザ氏と親しい活動家)も賛同、カラーズ氏は「#BlackLivesMatter(黒人の命を尊重せよ)」というハッシュタグを付して拡散した。

 ガルザ氏の言葉に端を発する人種差別への抗議運動は、全米へと拡大した。(参考記事:「人種差別抗議デモ、人種を超えて広がる人々の思いと闘い」

 現在はBLMの活動のほか、全国家事労働者連盟のスタッフとしても働くガルザ氏。クィア(性的マイノリティー)の黒人女性を公言する彼女の目標は、警察による暴力の認知度を高め、その犠牲となる特定の人種、および特定の性的指向や性自認を持つ人々を救うことだ。

 2020年3月刊行の書籍『Women ここにいる私』から、アリシア・ガルザ氏へのインタビューを紹介する(聞き手はナショナル ジオグラフィック英語版編集長スーザン・ゴールドバーグ)。

――最初の質問です。今後10年間で、女性にとって必要となるもっとも重要な変化は何でしょうか?

 その質問に答えるのは簡単です。もっとも重要な変化は力を持つことだと思います。なぜこれほど長く実現してこなかったのか、あまりにも遅すぎるという感じもしますね。女性は自分の生活や、自分が気にかける人々の生活について、意思決定権のある立場に就くべきだと思います。現状では、女性は力を持っていません。ですから自分自身や家族、愛する人々を取り巻くいかなる状況にも、決定的な影響を及ぼすことができないのです。

 米国の連邦議会で圧倒的多数を占めるのは、クリスチャンの男性議員です。議会が資源の分配を決める場、法律を作る場であることを考えれば、これは大きな問題でしょう。女性が将来に向けて何を望み、何を必要としたとしても、権力と意思決定の場において少数派であり続ける限り、それを手に入れるのは簡単ではありません。(参考記事:「政治の壁に挑む女性たち」

次ページ:女性が将来に向けて望むのは?

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