会いに行ける「ドラゴン」 コモドオオトカゲはどこまで危険?

インドネシアの野生に生息するコモドオオトカゲ。生息地での観察のコツとNG行為

2020.12.07
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世界最大のトカゲ、コモドドラゴン(コモドオオトカゲ)。体長3メートル、体重140キロ以上にもなる。野生では、インドネシアのコモド国立公園に生息する。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN BELCHER, MINDEN PICTURES)
世界最大のトカゲ、コモドドラゴン(コモドオオトカゲ)。体長3メートル、体重140キロ以上にもなる。野生では、インドネシアのコモド国立公園に生息する。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN BELCHER, MINDEN PICTURES)
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 ドラゴンは実在する――夢や漫画に登場する神話の獣に一番近い生物のことだ(もちろん、火を吐いたり空を飛んだりはしない)。体長は3メートル、体重140キロ以上にもなるコモドドラゴン(コモドオオトカゲ)こそ、ドラゴンと呼ぶのにふさわしい生物だろう。(参考記事:「21世紀に生きる“ドラゴン” コモドオオトカゲ」

 コモドドラゴンは巨大な肉食獣でありながら、見に行くのは意外と簡単だ。米国内でも多くの動物園で飼育されているからだ。例えば、新型コロナ禍での閉鎖から最近再開したケンタッキー州のルイビル動物園、オハイオ州のトレド動物園・水族館、ペンシルベニア州のピッツバーグ動物園などにいる。現在閉鎖されているが、ワシントンD.C.のスミソニアン国立動物園やニューヨーク市のブロンクス動物園でも飼育されている。

 自然の生息地でコモドドラゴンを見たいなら、インドネシアの4つの島に向かわなければならない。ただし、自分たちだけで歩き回ってはいけない。森のそこかしこにコモドドラゴンがいるからだ。

 今や野生のコモドドラゴンを見るための観光ツアーがあるので、この巨大な肉食獣を近くで見られるようになっている。まず、コモド国立公園に入る際、観光客が聞かされることがある。一つはコモドドラゴンの生息地を保護するため、観光客に開放されている地域が国立公園の5%未満であること、もう一つが観光客はガイドかレンジャーを付けなければならないことだ。

 ちなみにガイドやレンジャーは、長さ1.8メートルの木の棒を持っている。「棒を使うのは、コモドドラゴンがあなたに少し興味を持ちすぎた場合に、追い払うためだけです」と爬虫両生類学者であり野生生物の映像作家でもあるロブ・ピリー氏は説明してくれた。

「我々は、よくこう言います。コモドドラゴンは間違いなく凶暴です。でも、うまく対処すれば危険ではありません」。こう話すのは、オーストラリア、ディーキン大学の統合生態学者ティム・ジェソップ氏だ。

 過去20年にわたってコモドドラゴンを研究してきた同氏によれば、1頭でも簡単に大人の人間を倒せるという。なにしろ顎は180度近く開き、歯はホホジロザメ同様、平刃のようであり、獲物を待ち伏せて薮から飛び出すのだ。しかも、唾液には毒が含まれており、体内に入れば血圧は低下し、出血が止まらなくなる。 (参考記事:「毒で獲物を仕留めるコモドオオトカゲ」

 それでも、注意さえしていれば、公園内でコモドドラゴンに襲われて死亡する可能性はまずない。

 コモドドラゴンは、世界最大のトカゲだ。つまり、変温動物(外温動物)なので、その日の暑さによって、エネルギーレベルが変化する。日光浴後のエネルギー満杯の時でさえ、エネルギーは捕食や繁殖のために温存するのが常だ。そして何より、コモドドラゴンは、のんびり屋だ。

次ページ:コモドドラゴンを刺激するNG行為とは?

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