太陽系外惑星TOI-849bは、主星のすぐ近くの軌道を回る。海王星とほぼ同じ直径をもつ大きな惑星だが、岩石からなり、信じられないほど密度が高い。(ILLUSTRATION BY MARK GARLICK, UNIVERSITY OF WARWICK)
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 地球から約730光年、銀河系のスケールで言えばさして遠くないところで、太陽に似た恒星の周りを回る不思議な惑星が見つかった。主星からの距離が非常に近く、大きくて、密度が高い。他にこのような惑星は、太陽系内はもちろん、はるか彼方の宇宙でも見つかっていない。

 TOI-849bと名付けられたこの灼熱の惑星は、これまでに観測された岩石惑星の中で最も重く、地球40個分もの質量がある。これだけ質量が大きければ、木星のような巨大ガス惑星になるはずなのに、なぜかほとんど大気がない。現在の惑星形成理論では、この天体の形成過程を説明することはできない。

「TOI-849bのように重くて密度の高い惑星を作るのは非常に困難です。巨大ガス惑星になるのがふつうです」と、英ウォーリック大学の系外惑星研究者デイビッド・アームストロング氏はメールでの取材に答えた。氏らが今回の発見について報告した論文は、7月1日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。

「標準的な形成過程から外れた何かが起こったのです」。アームストロング氏らの考えはこうだ。この惑星は、木星を上回る巨大なガス惑星になるはずだったが、何らかの理由で大気のない、むき出しのコア(核)だけが残ったのではないか。

「このような天体は理論を前に進め、系外惑星や惑星科学の研究を非常に面白くしてくれます」と、論文の共著者であるスイス、チューリッヒ大学のラビット・ヘレド氏は話す。

「とてつもなく変な天体です!」と驚くのは、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校地球外惑星研究所のジョナサン・フォートニー所長だ。なお、氏は今回の研究には関わっていない。「とはいえ私には、それが何を物語っているのか、確かなことはわかりませんが」

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