米黒人拘束死事件は「現代のリンチ」だ、根底に暴力の歴史

リンチ殺人が横行した米国、暗黒の歴史(1)

2020.06.19
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「公正な裁きのイニシアティブ」は、米国での人種差別の遺産を広く知らせるために活動している。創立者で代表者のブライアン・スティーブンソン氏は、奴隷制度にリンチ、そして現代まで続いている黒人抑圧という残虐な歴史を米国がいまだに清算していないことが、一連の抗議活動の根本にあると指摘する。

「200年にわたって黒人を奴隷化してきたこの国最大の重荷は、黒人は進化しきっていない、人間として劣り、価値も低く、白人と同じ扱いを受けるのにふさわしくないという作り話です。私たちはこの問題に一度も正面から向き合ったことがないのです」

「白人が最も優れた人種であるという考え方が、100年に及ぶ黒人への暴力を煽ってきました。数千件のリンチ、大量殺人、そして黒人は危険であり犯罪者であるという思い込みが、今に至るまでなくなっていません。ですから、アーマード・アーベリーさん、ブリオナ・テイラーさん、ジョージ・フロイドさんが殺されたとき、警察や検察、選挙で選ばれた役人の多くが、関与した白人をまず守ろうとしました。動画のおかげでそうしたやり方が難しくなっていますが、たとえ暴力行為がはっきり撮られていても十分ではありません。それだけ長きにわたって、この国は人種的な不公正の歴史について考えることを拒んできたのです」

「見えない人間」

 フロイドさんの動画を見て、人々は涙を流し、その死を悼んだ。多くの人にとって、それは黒人が直面してきた残虐な歴史を思い出させる事件だった。

 ボストンにあるエマーソン大学学長のリー・ペルトン氏は、学生たちへ向けたメッセージを公開し、事件に対する悲痛な思いを語った。「今日私は、ひとりの黒人男性として・・・皆さんにこの手紙を書いています。ここ最近の出来事を見ていると、このように書く以外考えられないのです」

「金曜日の夜、私は眠ることができませんでした。ミネアポリスで白人警官によって殺されたジョージ・フロイドさんの動画を、何度も何度も再生していました。あれは、合法的なリンチです」

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