愛されたゴリラのボス、密猟者に殺される

コロナ禍で密猟警戒の矢先、25歳のオスのゴリラが殺された

2020.06.17
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マウンテンゴリラのラフィキは、2008年以来17頭の群れを率いてきた。(PHOTOGRAPH BY ALLAN CARLSON, WWF)
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 名を知られたマウンテンゴリラが密猟者に殺害された。絶滅の一歩手前まで行った彼らを救おうとの長年の努力に水が差された形となった。

 ウガンダ当局は、2008年以来、同国西部のブウィンディ原生国立公園で17頭の群れを率いてきた25歳のシルバーバック(群れのボス)、ラフィキを殺した疑いで、4人の男を逮捕した。ウガンダ野生生物局が6月12日に発表した。

 検死報告によれば、観光客にも人気だったラフィキは、密猟者に腹部を槍で刺され内臓まで達した傷がもとで死亡した。前回マウンテンゴリラが人間の手で殺されたのは、2011年のことだ。

 ラフィキの群れは国立公園の境界の外でも採食しており、人間との「共存という観点からシンボルとなっていました」と、国際ゴリラ保全計画のディレクター、アンナ・ベーム=マソゼラ氏は言う。「ラフィキの死と、それを取り巻く状況は深刻です。彼は、公園の顔であるこの群れにおいて唯一のおとなのオスでした」

絶滅危惧種の殺害

 ラフィキは6月1日に行方がわからなくなり、捜索隊が翌日、切断された彼の死体を発見していた。レンジャーたちが容疑者の一人を近隣の村まで追跡したところ、ブッシュミート(野生動物の食用肉)に加え、スネアと呼ばれる罠、槍、そして猟犬の首輪に付ける鈴を持った容疑者を発見したという。この容疑者は、他の3人とともに国立公園内でレイヨウの狩猟をしていたところ、ラフィキが攻撃してきたために正当防衛で殺したと話している。

 ウガンダの厳しい国内法のもとでは、絶滅危惧種の殺害で有罪となれば、終身刑または540万ドル(約5億8000万円)の罰金刑を課される。

 ブウィンディでは、保全活動家や行政担当者らが、新型コロナの影響で生活に困った人々が密猟に手を出す可能性があると危惧していた。国による外出禁止令のために国立公園は閉鎖され、ゴリラ保全の主な収入源である、野生ゴリラを見に行くエコツアーも停止となっている。ラフィキはブッシュミートのために殺されたわけではないが、この事件が起こったのはそうした矢先のことだった。

参考ギャラリー:胸に刺さる、「助けの必要性」を訴える写真12点(画像クリックで記事へ)
コンゴ、ビルンガ国立公園で殺されたマウンテンゴリラを運び出すレンジャーたち。(PHOTOGRAPH BY BRENT STIRTON, GETTY IMAGES REPORTAGE)

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