フラミンゴ、ピンク色が濃いほど攻撃的、最新研究

ピンクが濃い方が健康でモテるが、餌場で仲間を突くなど威嚇

2020.06.11
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コフラミンゴ(学名Phoeniconaias minor)のオスたちの求愛行動。ケニアのナクル湖で撮影。コフラミンゴは時折、餌を巡る争いを繰り広げるが、より鮮やかな色の個体ほどその傾向が強い。(PHOTOGRAPH BY DENIS HUOT, NATURE PICTURE LIBRARY)
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 動物の世界に争いはつきものだ。フラミンゴも例外ではない。新たな研究で、フラミンゴは体のピンク色が鮮やかなほど攻撃的であることが判明、6月8日付の学術誌「Ethology」に論文が発表された。

 これまでの研究で、鮮やかなフラミンゴは健康で、交尾の相手を見つけやすいことが示されているが、今回の研究はそれに続くものだ。

 対象となったのは6種のフラミンゴの中で最も小さいコフラミンゴ(学名Phoeniconaias minor)。この鳥は、サハラ砂漠以南のアルカリ性の湖で数十万〜100万超の巨大な群れを形成する。

 これだけ群れが大きければ、コフラミンゴの社会が「複雑」でも意外ではないと、論文の著者である英エクセター大学の行動生態学者ポール・ローズ氏は考える。コフラミンゴの社会において「色は重要な役割を果たしています」と言う。(参考記事:「超レアな黒いフラミンゴ、キプロス島で見つかる」

 例えば、コフラミンゴはオスもメスも色鮮やかな個体を交尾の相手に選ぶ。しかし、魅力的な体色を獲得するには、適切な食事を取らなければならない。コフラミンゴにとっての適切な食事とは、赤やオレンジを示す色素カロテノイドを大量に含む食事だ。

「体色は正直です」とローズ氏は話す。「あのピンク色が、ほかの個体に、自分は健康だと伝えているのです」

 しかし、英国で飼育下のコフラミンゴを観察した今回の研究によれば、ピンク色が鮮やかな個体は攻撃的でもあるという。この研究成果はコフラミンゴの飼育環境を改善する助けになると、専門家たちは考えている。

 コフラミンゴは今のところ絶滅危惧種とは見なされていないが、野生の個体数は減りつつある。国際自然保護連合(IUCN)の分類は近危急種(Near Threatened)だ。もし個体数の減少がこのまま続けば、動物園の個体群をうまく管理する方法を見つけることが重要になる。

攻撃する個体、逃げる個体

 野生のコフラミンゴは甲殻類のほか、藻類、珪藻(けいそう)、藍藻(らんそう)など、カロテノイドを含む水生生物をろ過摂食し、ピンクの体色を維持している。飼育下では、同じ色素が添加された特別なペレットを与えられている。

 ローズ氏らは羽毛の色と摂食時の攻撃性の関係を調べるため、英国グロスタシャーの野生生物保護区WWTスリムブリッジ・ウェットランド・センターでコフラミンゴ45羽(オス24羽、メス21羽)の摂食行動を観察し、1分間の動画を210本撮影した。ローズ氏は45羽の体色を最も淡い1から最も鮮やかな4まで4段階で評価。その後、攻撃行動に着目し、摂食行動の評価を行った。攻撃行動が最も多く見られたのは、フラミンゴたちが狭い場所で互いに接近して食べているときだった。

 あるフラミンゴは、隣の個体に対し、触れることなく素早くジャブするようなしぐさを見せた。これは警告の印だと、ローズ氏は説明する。さらに状況がエスカレートすると、攻撃的な個体が仲間をくちばしで激しく突いたり、甲高い声を上げながらくちばしで仲間の羽毛をつかんだりすることもあった。

 服従的な個体は争いを回避しようと、羽毛をぴったり閉じて逃げ出した。しかし、多くの場合、攻撃的な個体は逃げる個体を追い掛け、その尾をつかもうとした。

「見ていてつらい光景です」とローズ氏は言う。

次ページ:餌場で支配的な立場に

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