新型コロナウイルスはいつまで体内に残るのか

長引く「持続感染」や再感染の有無について、専門家に聞いた

2020.06.08
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新型コロナウイルスにより損傷した肺の3次元CT画像。2020年5月22日にモスクワの国立病院で撮影されたもの。(PHOTOGRAPH BY SEFA KARACAN, ANADOLU AGENCY VIA GETTY IMAGES)
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 3月13日の金曜日は、26歳のフィオナ・ローレンスタインさんにとって不運な日だった。週末にかけて高熱が出て、咳が始まり、やがて息切れがして話しづらくなった。病院に行って検査を受けると、新型コロナウイルスに感染していることがわかったので、入院して酸素吸入が施された。2日後には退院できるほどに回復したが、症状はそれで終わらなかった。

 やがて激しい下痢が始まり、嗅覚を失い、喉の痛みと蕁麻疹(じんましん)に悩まされた。なかでも厄介だったのは、最初の症状が出てから約1カ月後に現れた、強い疲労感と激しい頭痛だった。言葉が出にくくなり、集中力を失い、話している途中で何を言おうとしていたのか忘れてしまうようになった。

「トラックにぶつけられたようなものでした」と彼女は振り返る。「数日間はどうにか仕事をこなしていましたが、ある日、ついにベッドから出られなくなりました」

 新型コロナウイルスに感染した人の中に、なぜローレンスタインさんのように発症から数週間から数カ月間も症状がぶり返す人がいるのかは、まだわかっていない。

 症状が長期間続く患者は、一部のウイルスが体内にとどまる「持続感染」の状態にあるのかもしれない。研究者たちは今、ウイルスの持続性、つまりウイルスが患者の体内に残る期間を明らかにしようとしている。

 新型コロナウイルスの持続性を理解することは重要だ。なぜなら、患者がウイルスを他人にうつす恐れのある期間や、患者を隔離するべき期間、あるいは再感染の可能性があるかどうかさえも、それで決まるからだ。

「ウイルスの持続性は厄介です」と、米国立がん研究所がん研究センターの上席研究員でエイズウイルス(HIV)の薬剤耐性を研究しているメアリー・カーニー氏は話す。特に新型コロナウイルスについては、個人や臓器によってウイルスの持続性にどのような差があるのかがまだわかっていないと氏は言う。

 新型コロナウイルスのゲノムは、DNAではなくRNAでできている。C型肝炎ウイルスもRNAウイルスだが、持続感染により、最初の感染から数十年経ってから肝硬変や肝臓がんに進行することがある。「持続感染が長期にわたる場合、その影響も長期的である可能性があります」とカーニー氏は言う。新型コロナウイルスは発見から間もないため、長期的な持続感染の可能性やその影響はまだ明らかでないが、調査する必要がある。

次ページ:持続感染か、再感染か

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