新型コロナの遺伝子ワクチン候補、最初の臨床試験をクリア

年内に最終段階に進む可能性も、mRNAワクチンはなぜ有望か、米モデルナ社

2020.06.03
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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の表面はたんぱく質のスパイク(赤)に覆われている。モデルナ社のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは、このスパイクを認識するよう人体に教えることで、中和抗体(白)の“衛兵”を作り出し、感染前にコロナウイルスの増殖を防止する。(MODEL AT ATOMIC RESOLUTION IN BY VISUAL SCIENCE)
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 有望な新型コロナウイルスワクチン候補が先日、大きなハードルをクリアした。米モデルナ社が、臨床試験の第2段階をスタートさせたのだ。これはつまり、同社のmRNAワクチンが初期の安全性チェックに合格し、市場に投入されるための重要な節目をひとつ越えたということだ。

 モデルナ社は5月18日、初期段階での結果について、健康な被験者が同社のmRNAワクチンに反応して「中和抗体」を産生したと発表していた。抗体とは、感染を防ぐうえで重要な、いわば免疫系の“衛兵”だ。

 ただし専門家らは、中和抗体が確認できたのは、米国立アレルギー感染症研究所の臨床試験に参加した45人のうち8人のみだと指摘していた。またモデルナ社は、第1相試験で単に抗体を作る以上の防御反応があったかどうかを判断できるだけの十分な情報を公開していない。

 それでも、公表した詳細な情報と最新の発表内容から、同社がこの先、前例のないことを成し遂げる可能性がうかがえる。世界初となるヒト用mRNAワクチンの承認を得ることだ。

2020年3月16日、COVID-19ワクチン候補の第1相臨床試験において、レベッカ・シラル氏に投与を行う薬剤師のマイケル・ウィッテ氏。シアトルにあるカイザー・パーマネンテ・ワシントン健康研究所は、第1相臨床試験に参加している3施設のうちのひとつで、シラル氏は同研究所でワクチン投与を受ける被験者としては3人目。(PHOTOGRAPH BY TED S. WARREN, AP PHOTO)
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「すばらしい成果です。ワクチンの安全性を示す第1相試験のデータが得られたのですから」。米アイオワ大学薬学部の教授で、薬剤開発者のアリ・セイレム氏はそう語る。

 第2相試験は、8つの州の10の地域において、約600人の協力者を対象に行われる。モデルナ社は5月29日、プレスリリースを通じて、各年齢層のグループ(55歳以下と56歳以上の2組)の最初の協力者複数人にワクチン候補を投与したと発表した。

次ページ:mRNAワクチンとは何か

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