ヘビも友達をつくる、「動物の友情」に新研究

一緒に過ごす仲間に明確な好み

2020.06.14
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北米東部原産のトウブガーターヘビ(Thamnophis sirtalis sirtalis)。(PHOTOGRAPH BY MICHELLE GILDERS, ALAMY)
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 ヘビに対して、冷たい、孤独といったイメージをもつ人は多いかもしれない。だが、その考えは誤りのようだ。少なくとも、ガーターヘビに関しては。

 ガーターヘビは、カナダの平野部からコスタリカの森林地帯にかけて生息する、毒をもたないヘビ。今回新たな研究で、このヘビが一緒に過ごす仲間には明確な好みがあることが判明した。つまり、彼らには「友達」がいるのだ。

「あらゆる動物は、他者と交流する必要があります。もちろんヘビも」と、カナダ、ウィルフリッド・ローリエ大学の行動生態学を専攻するモーガン・スキナー氏は話す。今回の研究リーダーを務めた同氏は、トウブガーターヘビ(Thamnophis sirtalis sirtalis)の性格と社交性を評価するため、新しい実験を考案した。

 その結果、「ヘビも人間のように社会的接触を求め、親しくする相手について選り好みする」ことを明らかにし、2020年4月に学術誌「Behavioral Ecology and Sociobiology」に発表した。

「動物は友をつくる」が一般的に

 ヘビが親しい友達をつくると聞くと、意外に感じる人がいるかもしれない。だが、こうした関係は、フラミンゴからコウモリやゾウまで、動物界全体で見られることがわかってきている。例えば、ナミチスイコウモリに関する最近の研究では、コウモリも人間のように条件付きの友好関係を築くことが示された。(参考記事:「フラミンゴも長年の親友をつくる、生き残り戦略か」

 30年ほど前に比べると今は、動物の友好関係を発見しやすくなっている。社会がこの概念を受け入れるようになり、データを収集・分析するためのツールがはるかに進歩したからだ。「この数十年で飛躍的な進歩を遂げたのです」と論文の共著者でスキナー氏の指導教官でもある、比較心理学者ノーム・ミラー氏は話す。

 実際、動物の社交性に関する研究が多く行われるようになり、人間以外の動物にも「友達」という言葉を使うことが、今では一般的になった。

絡み合うトウブガーターヘビ。体温を保ち、捕食者から身を守るための戦略だ。(PHOTOGRAPH BY TOM GANTERT)
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1つの部屋に集うヘビ

 ミラー氏とスキナー氏は、野生で捕獲したトウブガーターヘビのメスが産んだ30匹と、ブリーダーから購入した同じ親から生まれた10匹の、計40匹のトウブガーターヘビの子どもを用いて研究を行った。

 研究室の実験台を壁で囲い、その中に小さな出入口を開けたプラスチックの部屋を4つ置いた。その中へ、印をつけたヘビをオスとメスを合わせて10匹入れた。10匹のヘビに対して部屋は4つしかないため、10匹のヘビはグループを作らざるを得ない状況になる。

次ページ:実験の動画、ヘビの性格も見えてきた

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