フラミンゴも長年の親友をつくる、生き残り戦略か

大集団の中で気の合う仲間を見つけ、苦手な相手は避ける、最新研究

2020.05.03
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
羽づくろいをするベニイロフラミンゴ。フラミンゴは50年生きることもある。(PHOTOGRAPH BY KLAUS NIGGE, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
[画像のクリックで拡大表示]

 フラミンゴは長年にわたる「親友」をつくることが、最新の研究で明らかになった。

 この鳥は大きな群れで暮らすが、その中でいつも行動をともにする仲間がいるという。毎年一緒に巣作りと子育てをする異性のペアの場合もあるが、同性が3〜6羽集まった仲良しグループを作ることもある。5年にわたる研究の成果が、学術誌「Behavioural Processes」の電子版に発表された。

 世界には6種のフラミンゴがおり、南北米大陸やアフリカ、ヨーロッパ、アジアの、大きな塩湖や干潟などに生息している。この鳥たちは集団性が強く、数千から数万羽が集まって群れをなす。

 今回の研究を率いた英エクセター大学の行動生態学者ポール・ローズ氏は、フラミンゴが大きな集団の中で、個々に複雑なつながりを形成しているかを調べようと考えた。

苦手な相手は慎重に避ける

 ローズ氏は2012年から2016年にかけて、英グロスターシャー州にあるスリムブリッジ湿地センターで、飼育下にあるベニイロフラミンゴ、チリーフラミンゴ、アンデスフラミンゴ、コフラミンゴの4種の集団についてデータを集めた。それらの集団は20羽強のものから140羽以上のものもあり、野生の集団とよく似た構造や行動パターンをもつとみなした。

 5年にわたるデータを収集したところ、フラミンゴが、特定の相手と安定した友情関係を保っていることが見てとれた。フラミンゴは長寿で50年生きることもあるため、こうした絆が何十年と続く可能性もある。

「これほど長期間持続するということは、野生で生存するうえで、こうした関係が重要だということを示唆します」とローズ氏は話す。

 同じく社会性の高い動物であるヒトのように、フラミンゴも慎重に特定の個体を避けるのだとローズ氏は報告する。それは、けんかを避けるためかもしれないと氏は言う。「ストレスや争いを減らす方法の1つは、相性の良くない個体を避けることです」

 フラミンゴの社会関係を理解することは、飼育下と野生下の両方で、保護活動の改善につながるかもしれない。ローズ氏によると、4種はいずれも徐々に数が減っているという。(参考記事:「相方はフラミンゴ、自然保護を訴える名コンビ」

特集ギャラリー:フラミンゴのボブ(2020年2月号)
獣医のオデッテ・ドゥーストのいとこで写真家のヤスパー・ドゥーストとカリブ海で泳ぐフラミンゴのボブ。(PHOTOGRAPH BY JASPER DOEST)

次ページ:「友情」の判断どうやって?

ここから先は「ナショナル ジオグラフィック日本版サイト」の
会員の方(登録は無料のみ、ご利用いただけます。

会員登録(無料)のメリット

  • 1ナショジオ日本版Webの
    無料会員向け記事が読める
  • 2美しい写真と記事を
    メールマガジンでお届け

おすすめ関連書籍

2020年2月号

多様になる美しさ/米国最後の奴隷船/分断される大草原/フラミンゴのボブ/カルダモンの森へ

2月号の特集「多様になる美しさ」では、ソーシャルメディアの普及などを背景に、大きく変わりつつある美の定義について取り上げます。そのほか、子孫たちが語り始めた「米国最後の奴隷船」、野生に戻れなくなったフラミンゴと地元の人々との交流を綴った「フラミンゴのボブ」など、特集5本を掲載!

定価:本体1,028円+税

  • このエントリーをはてなブックマークに追加