この右下顎骨は、ホモ・ナレディ(Homo naledi)の子どもの骨格の一部。残りにくい未成熟な化石人類の骨がそろって見つかるのは極めて珍しい。(PHOTOGRAPH BY MARINA ELLIOTT AND EVOLUTIONARY STUDIES INSTITUTE, UNIVERSITY OF THE WITWATERSRAND)
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 今から20万年以上前、現在の南アフリカにあたる地域で、身長90cmほどのヒト属(ホモ属)の子どもが死んだ。死因は不明。子どもの遺体は、14人以上の仲間の遺体とともに、暗い洞窟の奥深くで眠りについた。

 彼らの眠りは2013年に妨げられた。南アのヨハネスブルク近郊にあるライジングスター洞窟に入った探検家が、数百個の骨の破片や歯を発見したのだ。新たに見つかったヒト属はホモ・ナレディ(Homo naledi)と名づけられた。そしてこのほど研究者たちは、未成熟なホモ・ナレディの骨格の一部を組み立てることに初めて成功した。

 洞窟内の「ディナレディ」という空間で発見されたこの骨格の持ち主「DH7」(Dinaledi Hominin 7)は、8〜15歳で死亡したと推定されている。4月1日付けで学術誌「PLOS ONE」に発表された論文によると、DH7の骨格は、右下の顎骨を含む16の骨片からなる。人類の子どもの骨格がこれだけよくそろって発見されるのは、現生人類(ホモ・サピエンス)とネアンデルタール人以外では非常に珍しい。小さくて柔らかい子どもの骨は、化石化しにくいからだ。

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 この骨格は、ホモ・ナレディがどのように成長したのかを解明するのに役立つ可能性がある。つまり、成熟のしかたが現生人類に近かったのか、それとも初期の人類祖先に近かったのかが判明するかもしれない。

「今回の研究で非常に面白いのは、複数の骨片が1人の人物のものだと証明できた点です」と論文共著者のリー・バーガー氏は言う。氏は南ア、ウィットウォーターズランド大学の古人類学者で、ナショナル ジオグラフィック協会の「エクスプローラー・アット・ラージ」でもある。「体の成長に対する歯の成長を調べることで、ホモ・ナレディがどのように成長したかを推定できるのです」

 未成熟な個体の骨を見つけることは非常に重要だと、ドイツ、テュービンゲン大学の古人類学者カテリーナ・ハーバティ=パパテオドロウ氏は説明する。「化石人類の成長パターンは現生人類と同じとは限らないため、今回得られた情報は、ホモ・ナレディの成長のしかたが現生人類やその他の化石人類とどの程度違っているのか、あるいは似ているのかを教えてくれます」。なお氏は今回の研究には参加していない。

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