新型コロナ、重症化しやすい基礎疾患の致死率は?

焦点は年齢より高血圧や糖尿病などの基礎疾患へ、図表とともに詳しく解説

2020.03.12
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子どもは大丈夫?

 今のところ、新型コロナウイルスに関するデータはどれも、子どもへの感染率が低く、重症化の例も少ないことを示している。2月11日までに中国CDCは4万4600人の感染確定者を記録しているが、9歳以下の子どもの感染者数はわずか400人で、死者はひとりも出ていない。子どもは感染する確率が低いということなのか、それとも重症化しないだけなのだろうか。

「後者が正解、つまり子どもは重症化しないというのが、専門家の一致した意見です」と、米ピッツバーグ大学医療センター小児感染症部長のジョン・ウィリアムズ氏は言う。

 初期の追跡調査では、子どもの感染率が大人とそれほど変わらないとされている。これまでのところ子どもの報告例が少ないのは、検査が大きな病院だけで行われているためだろうと、ウィリアムズ氏は言う。「軽症者や外来の患者、町の診療所の患者にも検査が実施されるようになれば、大人も子どもも感染者は増えると思います」

 過去のコロナウイルスや他の感染症でも、子どもが重症化するケースはまれだった。約20年前に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)でも、子どもが感染した例はあったが、ほとんどが軽症だった。水ぼうそうも、子どもよりも予防接種を受けていない大人の方が重症化する可能性が高い。

 しかし、だからといって世界中で学校が閉鎖されているのが無駄な努力だというのではない。あらゆる既知の呼吸器感染症を最も拡大させているのは、子どもたちだ。米国では毎年、20%の子どもがインフルエンザに感染するが、大人の感染率は5%にとどまっている。(参考記事:「新型コロナ、インフルやエボラと比べた危険度は」

「それだけではありません。移植や抗がん剤治療を受けている子ども、心臓や肺の病気を持っている子どももたくさんいます。そうした子どもたちが新型コロナウイルスへの感染で重症化するリスクが高いどうかはまだわかりませんが、他のウイルスの経験を踏まえれば、そうだと考えた方がいいでしょう」

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文=Nsikan Akpan/訳=ルーバー荒井ハンナ

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