新型コロナ、春の家族旅行はどうしたらよい?

楽しみにしていた計画、米国の家族はどんな判断をしているのか

2020.03.13
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3月8日、旅行規制が発令される前のイタリア。ミラノの主要駅で、乗客が列車を待っている。(PHOTOGRAPH BY ALESSANDRO GRASSANI, THE NEW YORK TIMES/REDUX)

 一生に一度の思い出になるはずだった。米国カリフォルニア州ロサンゼルス在住のジェシー・ネイゲルさん一家は、春休みを利用し、東京を旅する計画を立てていた。ネイゲルさんの娘は14歳、日本のカルチャーに夢中だ。

 ネイゲルさんはいろいろな体験ができるパッケージを予約していた。千鳥ヶ淵公園の桜の下でボートに乗り、原宿ツアーに参加し、浅草の仲見世商店街を散策し、ラーメンとお好み焼きを食べる予定だった。

 ところが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大し、すべてが白紙に戻った。

 アジアからの感染報告が増えるにつれ、もし東京に行けば、家族が感染するのではないかという不安が大きくなった。現地での体験に対する不安もあった。日米の友人たちが、観光名所は閉鎖され、地元の人々が屋内に閉じこもり、街が空っぽになるのではないかと言ったためだ。ネイゲルさんは帰国時の心配も始めた。外国を旅行したというだけで、帰国時に隔離されるかもしれないと。

 結局、ネイゲルさんは旅行を取りやめた。

 ネイゲルさんは4日、「ホテルは問題なくキャンセルできましたが、航空券については調べてみる必要があります」と語った。「3人合わせて1800ドルという格安料金でしたが、それでも多額の損失に違いありませんから」

さまざまな選択肢を検討する家族

 春休みの旅行を土壇場で考え直したり、予約変更したりしているのはネイゲルさん一家だけではない。

 ネイゲルさん一家のように、リスク軽減のためにキャンセルした人もいれば、成り行きを見守りながら、新型コロナウイルスがさらに拡大した場合の代替案を練っている人もいる。少なくともしばらくの間、旅行そのものを自粛すると誓った人もいる。そして、冒険好きの少数派はウイルスの拡大を知りながら、旅を決行している。

 現状を見れば、おじけづくのも無理はない。この記事を書いた時点で、世界保健機関(WHO)は11万8000人以上の感染者と4200人以上の死者を確認している。感染者が確認された国と地域も114を数える。

 さらに8日、米国務省は国民に対し、クルーズ船での旅行を控えるよう勧告した。クルーズ船では多くの感染者が出ている。そして9日、イタリアが第2次世界大戦以来となる国土の封鎖に踏み切った。

ナポリのサン・ドメニコ・マッジョーレ教会を消毒する作業員。3月6日撮影。(PHOTOGRAPH BY SALVATORE LAPORTA, KONTROLAB/LIGHTROCKET/GETTY IMAGES)
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 専門家によれば、新型コロナウイルスに感染した場合、呼吸器症状、発熱、せき、息切れなどが見られるという。米疾病予防管理センター(CDC)のウェブサイトには、感染リスクが最も大きいのは心疾患、糖尿病、肺疾患などの慢性疾患を持つ人と高齢者だと書かれている。

 これらの理由から、多くの大学は春の短期留学プログラムをキャンセルしている。大規模なイベントも次々と中止されている。テキサス州オースティンで毎年行われている音楽、技術、映画の祭典SXSWの主催者は6日、34年の歴史で初めてとなるイベント全体の中止を決定した。

 旅行プランの変更を選択する人も現れている。

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