外来種のカメが爆発的に増加、ペット放棄で、困るNY

在来種を締め出しアオコ発生の一因にも、ミシシッピアカミミガメ

2020.03.22
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池を縁取る石の上で甲羅干しをする2匹のミシシッピアカミミガメ。元はペットだったとみられる。マンハッタン、アッパーウエストサイドのモーニングサイド池にて。(PHOTOGRAPH BY CAROLINE HOPKINS)
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 米国ニューヨークのモーニングサイドパークにある緑色のよどんだ池は、大鍋に入ったエンドウマメのスープのようだが、まったくもっておいしそうではない。発泡スチロールのカップとビニール袋が、緑色の泡と一緒に池のへりに浮かんでいる。ニューヨーク市の公園にある人工の池と聞けば、多くの人が思い浮かべそうな光景だ。

 それでも、ここでは生命が暮らしている。池を眺めるベンチの向かいでは、岩盤が露出し、その上を水が細く流れる。数本のシダレヤナギが水面に向かって枝を垂らしており、その下の池の縁に沿って列を作っているのが、100匹近いカメだ。春の日差しに甲羅が照らされている。(参考記事:「イルカにコヨーテ、NYの野生生物事情」

 このカメはミシシッピアカミミガメ(Trachemys scripta elegans)という。ミシシッピ川とメキシコ湾に面した地域が原産地で、米国のペット取引で最も人気のあるカメだ。カメ養殖業者が産業規模で繁殖させ、ペット小売業者に卸される。

 国際自然保護連合(IUCN)によれば、1989年から1997年の8年間に、5200万匹を超すミシシッピアカミミガメが合法的に米国から主に中国へ輸出された。ペットショップ、露天商、そしてオンラインのネットワークを通じて違法に売られる数は、それよりずっと多い。(参考記事:「中国に売られるミシシッピアカミミガメ」

 ミシシッピアカミミガメは、頭の両側にある鮮やかな赤い斑点が耳のように見えることから、こう命名された。IUCNが指定する「世界の侵略的外来種ワース100」にずっと名を連ねている。飼育には大型の水槽と高価なろ過システムが必要な上、長くて50年生きることもあると知り、外に放り出してしまう飼い主が少なくない。

 実際、この池のミシシッピアカミミガメの最大90%(ほとんどは濁った水中に隠れている)は元々ペットだった可能性が高いと、アレン・サルツバーグ氏は言う。氏は爬虫類・両生類学を扱う「ハープダイジェスト・ニューズレター」の発行人であり、非営利団体「ニューヨーク・ウミガメ・リクガメ協会」の長年の会員でもある。(参考記事:「ペットを自然に放してはいけない、その理由」

 これら捨てられたカメたちは、ニューヨーク市の都市生態系にとってかなり困った存在になりつつある。在来種のカメを締め出し、有害な藻類を地域の水路に大発生させるほか、人間にサルモネラ菌をうつす可能性さえある。

 この現象はニューヨークに限ったことではない。ミシシッピアカミミガメは現在、米国のほとんど全ての州にすみつき、ハワイにまでいる。侵入した個体数を集計するのは難しいが、市民科学者らが使っている生物観察アプリ「iNaturalist」の数字によると、過去10年間に、米国のほぼ全ての住宅地と都市部で数万匹が確認されている。

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