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獣医のオデッテ・ドゥーストのいとこで写真家のヤスパー・ドゥーストとカリブ海で泳ぐフラミンゴのボブ。PHOTOGRAPH BY JASPERDOEST

 2016年にホテルの窓に激突し、脳振とうを起こし、獣医のオデッテ・ドゥーストに救われたフラミンゴのボブ。ドゥーストは自らが運営する野生動物の保護施設でリハビリをさせているとき、ボブが人に飼われていた経験があることに気づく。人の近くにいても落ち着いていたし、飼育されている鳥に多い足の病気である趾瘤症(しりゅうしょう)を患っていたからだ。そのため、ボブは野生では食べ物を確保するのが難しかっただろう。

 そこでドゥーストは、ボブを自然教育に役立てられるだろうと、カリブ海のオランダ領キュラソーにある保護施設の90匹ほどの動物たちの仲間入りをさせた。まだ名前はつけていなかったが、週に1回、このフラミンゴを学校や町の集まりに連れていくと、みんなに喜ばれた。地元メディアも注目するようになって、ある日、ラジオ局のインタビューでフラミンゴの名前を尋ねられ、ドゥーストの口から思わず出てきたのが「ボブ」という名前だった。

「ボブはすごい人気者です」と、ドゥーストは言う。これほど優雅で色鮮やか、さらに、こんなにフレンドリーな鳥を間近で見たことがある人はほとんどいなかった。「ボブが翼を羽ばたかせると、子どもたちばかりか大人たちまでもが腕をバタバタさせ始めるんです。みんな、ボブの美しさに魅了されるんでしょう」と彼女は言う。

共に最高のパートナー

「ボブを飼っているのは、自然や環境のことをみんなに考えてもらうためです。生息地がわずかに変化しただけで、私たちを取り巻く自然に大きなインパクトがあることを知ってもらいたいのです」

 たとえば、ペットボトルではなく何度も使えるコップを選ぶことや、誕生日パーティーを風船で飾らないこと、海岸のごみを拾うことなどだ。ドゥーストによれば、ボブに夢中になった子どもたちは、こうしたことをしっかり心に刻むという。

「ボブは、オデッテを手助けしているんです」と言うのは、彼女のいとこでオランダ在住の写真家のヤスパー・ドゥーストだ。彼は3年前からボブを記録してきた。「オデッテがいなければ、ボブはただのフラミンゴにすぎません。そして、ボブがいなければ、オデッテが取り組む環境保全の教育活動はこれほど成功しなかったでしょう」

※ナショナル ジオグラフィック2月号「フラミンゴのボブ」では、カリブ海のオランダ領キュラソーで獣医と共に自然保護の大切さを教えているフレンドリーなフラミンゴをご紹介します。

文=クリスティン・デラモア/英語版編集部