【動画】仲間を進んで助けるヨウム、鳥で初の行動

「いい人」という評判が大事? 利他的な行動は他の動物にも

2020.01.16
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 大きくて流動的な群れをつくる動物では、ある個体が利他的であるという評判は役に立つ。「いい人」と認められれば、仲間に恵まれて有利になるからだと説明されるが、実験で見せたヨウムの行動は、そのような環境で進化した結果ではないかと、論文の著者らは考えている。

 米シカゴにあるリンカーン・パーク動物園の動物学者キャサリン・クローニン氏はこの研究に関して、コインを渡すという行為が単なる遊びである可能性を排除した点を高く評価した。「相手にもたらされる恩恵を考慮しているとみなして良いでしょう」

 さらにクローニン氏によると、動物における利他的な行動の研究は他にも増えており、人間特有の性質でないことを示している。

鳥類のなかでもとりわけ複雑な社会性を持つヨウムは、「おしゃべり」できる能力もあることから、ペットとして人気が高い。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
鳥類のなかでもとりわけ複雑な社会性を持つヨウムは、「おしゃべり」できる能力もあることから、ペットとして人気が高い。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
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チンパンジーとボノボ

 その行動がとりわけはっきりわかるのが、人間に最も近いチンパンジーとボノボだ。

 チンパンジーは、困っている仲間のチンパンジーに何が必要であるかを評価し、その問題解決に役立つものを分け与えるという研究報告がある。例えば、飼育されるチンパンジーがおやつを手に入れようとしている仲間に、適切な道具を与える行動が観察されている。

「ヨウムの研究と同様、チンパンジーも仲間の必要に応じて、その場では見返りがないのに助ける習性があることを示した研究です」と、クローニン氏は言う。

 アフリカ原産の絶滅危惧種のボノボも、初対面のボノボに惜しみなく食べ物を分け与える行動が見られる。

吸血コウモリ

 牙を持ち、いかにも怖そうなチスイコウモリには、優しい一面もある。

 血液が不足して窮地に陥っている仲間がいると、それが家族であろうとなかろうと、コウモリは自分の摂取した血液の一部を吐き戻して分け与えるという。

 そして、ある個体が血液を分け与えるかどうかを予測するのに、血縁関係よりも、以前血液をもらったことがあるかどうかの方が重要な判断要素になるという。(参考記事:「吸血コウモリはなぜ仲間に血を分け与えるのか」

ドブネズミ

 ドブネズミは仲間を助けるだけでなく、誰に助けてもらったかを覚えておいて、後でそのネズミに恩返しをする習性を持つ数少ない動物だ。2015年の実験では、質の高いおやつ(バナナ)と質の低いおやつ(ニンジン)を仲間に与えるように、ドブネズミを訓練した。

 次に、おやつを受け取る側だったネズミにシリアルを与えてお礼をする機会を与えてやると、ニンジンよりバナナを分けたネズミの方が先にシリアルをもらっていた。(参考記事:「ネズミの恩返し行動を発見、人間以外で初」

ザトウクジラ

 ザトウクジラには、シャチの狩りを邪魔するという奇妙な習性がある。シャチと獲物の間に割って入り、シャチが近寄りすぎると大きなひれをバタバタさせる。こうして、アザラシやアシカ、他のクジラを敵から守る様子が観察されている。(参考記事:「ザトウクジラはシャチから他の動物を守る、研究報告」

 この行動がザトウクジラにとって何か利益があるのかはわからないが、ザトウクジラの子はシャチに狙われやすいという事実と関係しているのかもしれない。

 または、人間や他の霊長類、そしてヨウムもそうかもしれないが、クジラも善い行いを評価するようになったのだろうか。

ギャラリー:世界の美しい鳥たち8(写真クリックでギャラリーページへ)
ギャラリー:世界の美しい鳥たち8(写真クリックでギャラリーページへ)
ヨウム (Photograph By Noel Albeza, National Geographic Your Shot)

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文=Jake Buehler/訳=ルーバー荒井ハンナ

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