キツネザル2種の生息地が2080年に消失する、研究

森林破壊と気候変動の複合的影響、ただし改善策も、マダガスカル

2019.12.26
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カメラのレンズをのぞき込むクロシロエリマキキツネザル(Varecia variegata)。米ネブラスカ州リンカーン子供動物園で撮影。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
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 マダガスカル東部に広がる熱帯雨林の林冠には、この島の野生動物の中でも特に有名なキツネザルのうち、2種が暮らしている。どちらも近絶滅種だが、彼らの未来がさらに厳しいものになることが、新たな論文によって示された。キツネザルが暮らす森は、2080年までに完全になくなってしまうというのだ。

 マダガスカルの動植物の大半と同じように、クロシロエリマキキツネザル(Varecia variegata)とアカエリマキキツネザル(Varecia rubra)は、インド洋に浮かぶこの島国の固有種だ。なお、島内にいる101種のキツネザルのうち、96種が絶滅の危機に瀕している。(参考記事:「新種のキツネザル、まんまる目玉でリスより小さい」

 これら2つの種は大きな木にしかすみ着かず、雨林が伐採されたり、寸断されたりすると個体数が急速に減少する。そのため彼らの存在は、森林の健康状態を示す重要な指標となる。彼らはまた、種子散布者としても大きな役割を果たしている。(参考記事:「奪われるマダガスカルの資源」

 12月23日付けで学術誌「Nature Climate Change」に発表されたコンピューターモデルは、森林破壊に気候変動が重なると、その雨林が60年以内に消失し、大半が質の悪い草地や農地に変わると示唆した。1950年代以降、マダガスカルの森林被覆面積はすでに約45パーセント失われている。

「わたしはこういったモデリングに10年間携わってきました」。論文の執筆者で、米ミズーリ植物園の生態学者アダム・スミス氏はそう語る。「その間、自分が見ているものの恐ろしさに、思わずコンピューター画面から身を引いたのは、たった2回だけです」

 それでもスミス氏は、この研究結果を見ても、無力感にとらわれないでほしいと呼びかけている。「予測とは、将来何が起こるかを言い当てようとするものですが、モデルは選択肢も示してくれます」

 まだ選択肢があるうちは、マダガスカルの熱帯雨林が生き残る希望は失われていない。たとえば今回の研究は、エリマキキツネザルの生息地を保護するためには、どこに労力を費やすのがベストであるかを、科学者や政府が判断するうえで役立つだろう。(参考記事:「絶滅危惧のキツネザル、観光島へ移住させて保護へ」

次ページ:「ペーパーパーク」で違法な伐採が横行

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