「特別レポート:南アフリカ、ライオン牧場が抱える深い闇」の2回目。100頭以上のライオンがネグレクトされていることが調査で発覚し、あるライオン牧場が摘発された。牧場のその後と、南アフリカのライオン飼育産業に潜む問題を追う。

第1回 残酷な飼育で摘発、悪名高きライオン牧場の実態は

ライオンにエサのニワトリを投げ与える従業員たち。(PHOTOGRAPH BY NICHOLE SOBECKI, NATIONAL GEOGRAPHIC)

 摘発されたライオン牧場「ピエニカ・ファーム」に招かれた私と写真家は、ライオンにエサをやる様子を見せてもらうため、管理人のグリーゼル氏と弁護士のピーンズ氏とともにトラックの荷台に乗った。

 一緒に積まれたニワトリやウシの肉を、従業員がライオンへ向かって投げ与えている。

 南アフリカの都市プレトリアでオールドチャペル動物クリニックを経営するピーター・カルドウェル氏は、鶏肉と牛肉だけではエサとしてはまるで足りないと話す。人間と同様、ライオンもバラエティに富んだ食べ物をとらなければならず、個体によって必要な栄養も変わる。野生のライオンは、様々な動物を捕食するし、たとえばレイヨウの肉を食べた翌日にはその心臓や内臓を食べるという具合に、様々な部位を食べるものだ。

 次に私たちは、20メートル四方の2つの囲いに案内された。中にはライオンが全部で26頭入っていた。ピエニカを「有名」にしてしまったライオンたちだそうだ。

 4月の調査の際に27頭の若いライオンが皮膚病に冒されていたのは確かだが、報告されたほどひどく苦しんでいたわけではないと、ピーンズ氏は主張する。調査が入った時、ライオンたちにはビタミン剤の他に、皮膚病の薬が与えられ、殺菌消毒スプレーもかけられて、その後はずっと医師の治療も受けているという。

 立ち入り調査の後、そのうちの1頭が死んだ。解剖はされていないが、ピーンズ氏は肝不全が原因とみている。残りのライオンの皮膚病は回復したという。

 生後18カ月から2歳のそのライオンたちは、人間に慣れているようだった。うなることも歯をむき出すこともなく、フェンスの反対側にいる私のところへやってきて、大きくなりすぎたネコのように悲しそうな鳴き声を立てた。体毛は短く、はげている部分もあったが、新しい毛が生えてきている。

次ページ:冷凍庫から出てきた死体

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