ガラパゴスのヤモリ、3種を新種として記載

やはり多様なガラパゴスの生物、3年プロジェクトで爬虫類図鑑を作成

2019.12.02
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さらなる新種

 ウォルフ火山には、ピンクリクイグアナだけでなくベックゾウガメもいる。ここにサビンユビワレヤモリが加わり、イサベラ島北部のみに生息する爬虫類は3種になった。「なぜイサベラ島北部はこれほど特別なのか? この問いに答えられる人は(まだ)いません」

 今回の遠征では、イサベラ島の新種として、シンプソンユビワレヤモリ(学名Phyllodactylus simpsoni)も記録された。この新種は2014年、エクアドルの爬虫両生類学者オマー・トーレス・カルバハル氏率いる遠征で発見された。しかし、正式に記載されていなかったため、アルテアガ氏らが再び発見し、今回の遠征を支援したエクアドルの自然保護団体「フンダシオン・ホコトコ」の創設メンバー、ナイジェル・シンプソン氏にちなんだ名前を付けた。

マレスユビワレヤモリ(学名Phyllodactylus maresi)。別のヤモリの亜種と考えられていたが、独立した種であることが判明した。(PHOTOGRAPH BY JOSE VIEIRA)
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 3つ目の新種マレスユビワレヤモリ(学名Phyllodactylus maresi)は厳密に言うと、新たに見つかったというより分類の変更だ。1973年、Phyllodactylus galapagensisの亜種として記録されていた。この亜種はその後、イタリアの実業家ルドビコ・マレス氏にちなんだ名前を付けられた。マレス氏は当時の遠征の支援者で、この亜種が発見されたサンチャゴ島近くの小島もマレスと命名されている。しかし、アルテアガ氏らがDNAの塩基配列を解析した結果、マレスユビワレヤモリは独立した種であることが判明した。

 今回、マレスユビワレヤモリはサンチャゴ島とマルチェナ島の両方で発見された。2つの島は65キロほど離れている。もともとどちらの島にいたかは不明だが、遺伝子データから、2つ目の島で暮らし始めたのは過去50万年以内と判明した。(参考記事:「ガラパゴスのゾウガメに「新種」発見」

ガラパゴス諸島のヤモリを世界に

 米マーケット大学の爬虫両生類学者のトニー・ギャンブル氏は今回の遠征に参加していないが、これらのヤモリが人知れず存在していたことは意外ではないと考えている。理由は極めて単純。旅行者や研究者はガラパゴス諸島の保護区に昼間しか立ち入ることができないが、ヤモリは夜行性だ。

【動画】ヤモリの秘密:なぜ壁に張り付くことができるのか?
ヤモリは垂直な壁に張り付くことができる。どのような秘密があるのだろう?(解説は英語です)

「科学者や旅行者が立ち去ると、太陽が沈み、ヤモリが現れます。彼らの生態を考えると、(ヤモリは)ガラパゴス諸島で研究するのが特に難しい動物です」とギャンブル氏は言う。

 アルテアガ氏らはこれらのヤモリとガラパゴス諸島の爬虫類の窮状に注目してもらうため、従来の科学誌ではなく書籍とオンライン・コンテンツという形で「Reptiles of the Galápagos(ガラパゴス諸島の爬虫類)」を出版した。

 トロピカル・ハーピングの写真ディレクター、ルーカス・ブスタマンテ氏は「私たちの責任の一つは、科学を翻訳することです」と語り、資金援助者の多くが研究の最優先事項として科学コミュニケーションを挙げていると言い添えた。「これこそが環境保護の未来です」

文=JASON G. GOLDMAN/訳=米井香織

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