未来は明るい?世界に羽ばたく理系女子

かつては男ばかりだった世界に、新世代の理系女性が風穴を開けようとしている

2019.11.03
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2019年の国際学生科学技術フェア(ISEF)で、ロシアの高校生、インナ・ラリナがチームメートのナタリヤ・イブリエワと共同で設計したワイヤレス装置をのぞく。歩道の縁石など、障害物までの距離を測るセンサーを備え、目の不自由な人が不慣れな土地を歩けるようにする装置だ。PHOTOGRAPH BY DINA LITOVSKY

 米国では、STEM(科学・技術・工学・数学)関連職を目指す女子学生を増やす取り組みが、大学や研究機関でさかんになってきている。

 米国アリゾナ州フェニックスで開催された2019年の高校生のための世界最大の科学コンテスト「国際学生科学技術フェア」(ISEF)には、80の国と地域から選ばれた1842人の高校生が参加した。性別の割合は均等だったにもかかわらず、全22部門の最優秀賞のなかから選出される上位4つの賞のうち、3賞が女子に授与された。

 米国大学協会の会長で生化学者のメアリー・スー・コールマンは、科学分野における女性の未来は明るいと考えている。コールマンが高校生のときに参加した1959年と60年のISEFでは、女子は参加者の35%ほどしかいなかった。科学の難問に挑むうえで、女性は斬新な視点をもたらしてくれるので、性別のバランスが重要だと、コールマンは話す。「異なる人生経験をもった人は、違った問いを投げかけてくれますから」

 ただ今でも不均衡はある。ISEF 2019の参加者を見ると、微生物学や生化学では女子が男子よりも多かったが、数学や機械工学では女子の割合が3分の1を下回った。米国の女性科学者協会によれば、STEM分野で修士・博士号を取得する女性は増えているものの、STEM関連の教授やリーダー職は依然として男性が大部分を占めているという。

 それでも変化は起きていると、ISEFを主催する「科学と市民のための協会」の最高責任者、マヤ・アジュメラは話す。女子たちは豊かな創造性や粘り強さを発揮し、テクノロジーを活用してそれぞれの研究課題に取り組んでいる。こうした新進気鋭の科学者たちにとって、「状況は変わってきています」とアジュメラは話す。「今の女の子たちは、世界でもとりわけ困難な問題に挑むうえで、以前よりもはるかに恵まれた立場にあると、私は自信をもって言えます」

※ナショナル ジオグラフィック11月号「国際舞台でチャンスをつかめ、理系の女子たち」では、先輩たちを苦しめてきた古い壁を打ち破ろうとしている新世代の理系女子を取り上げます。

文=クローディア・カルブ/ジャーナリスト

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