カリフォルニアの山火事はなぜ激しくなっている?

年間焼失面積は過去50年で5倍に、原因は「夏の乾燥」「秋の強風」

2019.10.29
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年、カリフォルニア州のシャスタ=トリニティ国立森林公園で発生した「デルタ・ファイヤー」。消防士の上を残り火が飛んでいく。炎は、一晩で3倍の大きさに膨れ上がった。(PHOTOGRAPH BY NOAH BERGER/AP)
[画像のクリックで拡大表示]

 カリフォルニアが燃えている。

 先週、米カリフォルニア州では危険な山火事が数多く発生した。中でも最大規模のものが、州北部で起こった「キンケイド・ファイヤー」と南部で起こった「ティック・ファイヤー」だ。炎が丘の上やブドウ畑を覆う中、何万という住人が自宅からの避難を余儀なくされている。(参考記事:「山火事の煙害が広域化、死者は年間34万」

 同州で深刻な火事が最も起きやすい季節は、秋である。夏の間に植物が乾燥して格好の燃料となり、秋の季節風にあおられて炎が広がるためだ。

 山火事が頻繁に発生すること自体は、カリフォルニアでは自然なことだ。南部の常緑低木林から北部の松林まで、焼けることを前提として進化してきた生態系は多い。しかし、1980年代以降、州内で起こる山火事はその規模と激しさを増す一方である。カリフォルニアの歴史上最大の山火事20のうち、15が2000年以降に発生したものだ。(参考記事:「現場に突入、消防士だから撮れた山火事の内側 写真18点」

 科学者が言うには、多くの山火事に気候変動の影響が見られる。気温が高いと植物は乾燥し、燃えやすくなるからだ。

燃えやすくなる木々

 過去100年の間に、カリフォルニア州の夏の気温は1.4℃上昇したとされ、これは世界平均よりも高い。暖かい空気は植物や土から効率的に水を奪い、木々や草原を乾燥させて燃えやすくする。

 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の気候学者ダニエル・スウェイン氏によれば、気温が上がると、燃えやすさは急激に高まるという。つまり、気候変動によって暖かくなった現在の大気は、100年前と比べ物にならないほど植物を乾燥させるということだ。

 最近の研究によれば、1970年代と比べ、カリフォルニア州で夏に火災が起きた土地の面積は8倍にもなり、年間の焼失面積は5倍に増えている。これには、気候変動による夏の気温上昇が大きな影響を及ぼしているという。(参考記事:「【動画】炎上する大地、衝撃の山火事タイムラプス」

次ページ:秋の風が炎を広げる

ここから先は「ナショナル ジオグラフィック日本版サイト」の
会員の方(登録は無料のみ、ご利用いただけます。

会員登録(無料)のメリット

  • 1ナショジオ日本版Webの
    記事が全て読める
  • 2美しい写真と記事を
    メールマガジンでお届け

おすすめ関連書籍

気候変動 瀬戸際の地球

変化していく地形、水浸しの生活を強いられる人々、生息域を追われる動物たち、そして経済的ダメージまで、人類史上最大の危機を徹底レポート。気候変動によって変わりつつある世界の今に迫る1冊。

定価:本体1,400円+税

  • このエントリーをはてなブックマークに追加