大量絶滅後の100万年を示す貴重な化石を発見

哺乳類は急激に大型化、植物の多様になったタイミングと一致

2019.10.28
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 研究室に戻って明白になった事実の1つは、大量絶滅後の100万年で、哺乳類が目覚ましい大型化を遂げたということだ。(参考記事:「類人猿ギガントピテクス、大きすぎて絶滅していた」

 大量絶滅を生き延びた最大の哺乳類でも、体重はたったの450グラムだった。だが、わずか10万年後、その子孫の最大の種は約6キロもあり、現代のアライグマと同程度にまでなった。その20万年後には、「最大の哺乳類の体重はさらに3倍に増え、約20キロにもなったのです」とライソン氏は話す。これはアメリカビーバーの体重とほぼ同じであり、大量絶滅前のどの哺乳類よりも、はるかに重くなったという。

 この大型化は、哺乳類がもはや恐竜と競争する必要も隠れる必要もなくなったことを考えると、一応の筋が通る。だが、コラールブラフスで一緒に見つかった植物の化石から、はるかに豊かな物語が明らかになった。

哺乳類の頭骨とあごの化石。米コロラド州コラールブラフスで発掘された。(PHOTOGRAPH BY HHMI TANGELED BANK STUDIOS)
哺乳類の頭骨とあごの化石。米コロラド州コラールブラフスで発掘された。(PHOTOGRAPH BY HHMI TANGELED BANK STUDIOS)
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植物からわかる豊かな物語

 大量絶滅で、全植物種の半分が死滅した。生き延びた小型哺乳類は、おそらく雑食性で、昆虫を常食していたと考えられる。大量絶滅後、最初に再出現した植物は多くのシダ類だったが、それほど栄養はなかったからだ。(参考記事:「哺乳類の多様性、回復に数百万年、今の大量絶滅で」

 次に現れたのは、ヤシ科の木だった。しかし、哺乳類が大型化できた要因は、おそらくクルミ科の木が多様化したことにあるだろう。大量絶滅の30万年後に起きた哺乳類の体重増加は、クルミの花粉の化石が出現する時期と一致する。(参考記事:「南極はかつて森だった、古代の木の化石を発見」

 デンバー盆地で見つかったこの時代の最大の哺乳類は、現代の有蹄哺乳類の遠縁の仲間Carsioptychusだった。

「その小臼歯はとても大きくて平らで、奇妙なヒダがたくさんあります。このため、クルミの木の実など、硬い物を食べていたのかもしれない、というのが定説です」とライソン氏は話す。

 約40万年後、さらなる急成長が起こり、体重は45キロを超え、プロングホーンほどのさらに大型の哺乳類が誕生した。この時の急成長は、多くの草食動物が求める葉やタンパク質豊富な種子のさやを持つ、マメ科の初期種の化石の登場と重なる。

「すべてが、きれいに並んでいることに驚きました」と同氏は話す。

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