オーバーツーリズムに苦しむバリ島のプラごみ対策

使い捨てプラの禁止など、バリ島は美しい自然と観光産業を守る対策に乗り出した

2019.10.17
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2019年1月27日、インドネシア、バリ島のクドンガナン・ビーチで乗馬を楽しむ観光客。毎年11月から3月にかけての雨期には大量のごみが浜辺に打ち上げられるため、この季節を「雨期」ならぬ「ごみ期」と呼ぶ者もいる。(PHOTOGRAPH BY NYIMAS LAULA, NATIONAL GEOGRAPHIC)

 バリ島と聞いて思い浮かぶのは、美しい浜辺だろう。しかし、インドネシアにあるこの天国のような島の浜辺は、今では貝殻よりもプラスチックごみが目立つようになりつつある。(参考記事:「新たなプラ汚染問題 石そっくりのプラスチック」

 バリ島ではプラスチックごみが増加の一途をたどる。原因はインフラの不足、つまるところ「ごみ政策」が不十分なのだ。これに観光客の増加、島の人々の習慣が拍車をかけ、プラスチックが海に流される。さらに、浜辺に打ち上げられたごみに対する意識の低さも、レジ袋やあきびんが転がるビーチの状況を悪化させている。

 2015年に学術誌「サイエンス」に発表された、プラスチックごみの管理が不十分な国上位20カ国に関する論文で、インドネシアはワースト2とされた。同国が2010年に排出したプラスチックごみは320万トンにのぼり、そのうち半分近くが海に流出していた。ちなみに、ワーストは中国だった(米国は20位)。インドネシア政府がナショナル ジオグラフィックに開示した数値は、この論文で示された数字よりもかなり低かったが、それでも結論は変わらない。インドネシアでは、プラスチックごみの大半の管理が不十分な状態にある。

 バリも手をこまねいているわけではない。プラスチック問題の解決に乗り出し、中には有望な対策もある。2018年末、バリ州知事のワヤン・コスター氏は、プラスチック製の袋、ポリスチレン、プラスチック製のストローの使用を禁止すると発表。インドネシア政府は、2025年までに海洋プラスチックごみを70パーセント削減することを公約にしている。またバリ行政は、バリ島最大の埋立地である、州都デンパサールにある広さ32万平方メートルのスウォン処分場を、緑地公園と廃棄物発電所として改修しようとしている。

意識を変える人々

 バリ住民も行動を始めている。メラティ・ワイゼンとイザベル・ワイゼンの姉妹は、彼女たちが12歳、10歳だった6年前に、レジ袋廃止に取り組む団体「バイバイ・プラスチックバッグ」を立ち上げた。同団体は今では、バリで最大級の環境NPOに成長している。

「わたしたちが活動の中心に置いているのは常に、人々の考え方を変えることです。プラスチックに対してノーと言うことの重要性に対する理解を促したいのです」。現在18歳になった姉のメラティ氏はそう語る。(参考記事:「使い捨てプラスチックの削減を、米版編集長が声明」

「バイバイ・プラスチックバッグ」を立ち上げて以来、多くのバリの若者たちがプラスチックごみ問題の重要性を意識するようになったと、メラティ氏は言う。

「6年前、生徒数150人の小学校に講演に行くと、生徒たちは大いに賛同してくれました。一方で、プラスチックは良いものか、悪いものかと尋ねると、全員がプラスチックは良いものだと声をそろえました」

MONICA SERRANO, NG STAFF. SOURCE: BPS-STATISTICS INDONESIA; BALI PARTNERSHIP

次ページ:観光産業と自然保護の両立目指して

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