考古学者たちは青銅器時代の墓地に「持てるもの」と「持たざるもの」の社会的不平等の萌芽を見るが、新たな分析により、世帯の中での差異が見え始めてきた。(PHOTOGRAPH BY SCHELLHORN, ULLSTEIN IMAGE/GETTY)
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 ヨーロッパで社会的不平等が始まったのは、青銅器時代とされている。贅沢品とともに埋葬された有力者の墓がこの時代に現れるからだ。

 集団の中で「持てる者」と「持たざる者」に分かれていったと想像するのは簡単だ。だが、このほど現在のドイツ南部にある古代の墓を調べた研究により、個々の世帯の中においても、豊かさに格差があったことが明らかになった。つまり、豊かな者と貧しい者が一つ屋根の下で暮らしていたのだ。論文は10月11日付けの学術誌「サイエンス」に発表された。

 研究チームが注目したのは、バイエルン州のレヒ渓谷にある先史時代の集団墓地だ。4000年ほど前、この谷には農場が広がっており、それぞれの世帯は数棟の住居と倉庫、そして小さな墓地をもっていた。

 研究では、新石器時代(4750年前)から青銅器時代中期(3300年前)までの墓を100以上調査し、古代人のDNAデータを用いて、各世帯の家系図を再現した。また、骨格の同位体分析からは、それぞれの人がどこで育ち、一生の間にどのくらい旅をしたかが明らかになった。そして、死者の副葬品を生前の豊かさの指標とした。(参考記事:「古代の哺乳瓶を発見、動物の乳飲ませ離乳早める?」

 米ハーバード大学医学部の遺伝学者で論文の共著者であるアリッサ・ミトニク氏は、分析の結果、いくつかの興味深いパターンが見られると言う。

 個々の農場の墓地は、中心的な1つの家系によって、4〜5世代にわたって占められているものが多かった。その家族のメンバーは隣り合うように埋葬され、装飾品や武器など、豊かさを示す副葬品の数も多かった。農場は男系を通じて継承されていたらしく、同じ墓地に埋葬された遺体の間に認められた親子関係は両親と息子だけだった。

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