ワシントン条約会議が終了、8つの要点まとめ

絶滅から動物を守るために、今、知っておきたいこと

2019.09.04
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スイス、ジュネーブで開催された今回のワシントン条約締約国会議で保護を検討された500種以上の生物の中には、グラスフロッグも含まれていた。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
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 スイス、ジュネーブで開催されていたワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の締約国会議が閉幕した。2週間にわたる会議の結果、130種以上の生物が新たに保護され、9種の生物が保護を強化されることが決まった。

 すべての参加国が満足したわけではない。「不満感が議場に漂っていたのを危惧しています」と同条約の事務局長イボン・イゲロ氏は話す。「『うちは都合が悪い、うちは昔から苦しめられている』といった議論になるのです」

 会議は8月17日〜28日に開催された。182カ国および欧州連合(EU)が500以上の生物種に関する提案を検討したが、多くの場合、政治的、経済的、地理的な利害によって採決の票が割れた。

 これまでは、生物学や生態学などで蓄積されたデータに基づいて保護のレベルを決めていたが、現在は様子が変わってきた。動物のそばで暮らす人々のニーズにどれだけ重きを置くかという点で、意見の不一致が生じてきているのだ。例えば、狩猟やエコツーリズムによる経済的な利益も、保護レベルを議論するうえで欠かせない要素になってきている。

 ワシントン条約は1975年に発効し、近年では3年ごとに締約国会議が開かれている。今年の会議で明らかになった8つの要点や課題を整理しておこう。

1 ワシントン条約は海洋生物も保護する

 アオザメやサカタザメ、トンガリサカタザメの保護を強化する提案が可決された。一方で、本当に保護の効果があると証明されるまで、いかなる海洋生物も規制対象から除外するという、アンティグア・バーブーダによる提案が、容赦なく否決された。(参考記事:「フカヒレに使われるアオザメ、国際取引規制対象に」

「ワシントン条約は海洋生物を守るためのものではない、という考え方が古くからあります。私たちからすると馬鹿馬鹿しいのですが」と国際動物福祉基金(IFAW)の国際政策ディレクター、マット・コリンズ氏は話す。

 海洋生物の規制は地域の漁業団体に任せるべきだとの主張は、ワシントン条約が当初、陸上の動物を扱うためにできたときからあった。この考え方は1970年代の遺物だと非営利団体、野生生物保護協会(WCS)のルーク・ウォーウィック氏は言う。

 今回特徴的だったのは、アオザメ保護の提案に反対していた日本が、最終会議で議論の再開を持ち出さなかったことだ。保護活動家たちも驚く「奇妙な幕切れ」だったが、ウォーウィック氏は、サメもワシントン条約によって保護するという考えが定着してきた証と見ている。

「ワシントン条約は海洋生物も保護し、しかもそれがうまくいっているとの認識が広がりつつあります」

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