南米アマゾンの熱帯雨林で起きている大規模な森林火災は、非常に激しく延焼中で、近隣の都市は、厚い煙に覆われている。
ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は2019年、過去最高となる7万2843件の火災を報告した、と複数の報道機関が報じている。そのうちの9000件を超える火災が、この1週間で発生した。
火災の正確な規模はまだわかっていないが、ブラジル北西部の数州にまたがり燃え広がっている。8月11日にはNASA(米航空宇宙局)が、火災は宇宙から見えるほど大規模だと述べた。
「アマゾンで起きた森林火災では、間違いなくワースト2に入ります」とアマゾンで活動する生態学者でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーでもあるトマス・ラブジョイ氏は話す。(参考記事:「写真レポート:チリ史上最悪の森林火災」)
「森林の伐採が近年増加した結果だということに、疑問の余地はありません」
伐採が増えて、火災が増えた?
2018年にボルソナロ現ブラジル大統領が選出されて以降、過剰に続けられる森林伐採に、環境保護の活動家たちはずっと警鐘を鳴らしてきた。そもそも選挙戦では最大の政策としてアマゾン開発を打ち出し、就任後それを実行してきた。
INPEが今月発表したデータによると、ブラジルで伐採された森林は、今夏だけでも過去3年間の合計を超えるという。
「過去数年の森林火災は、主に雨不足によるものでしたが、今年は十分に雨が降っています」と、生態学者アドリアーネ・ミュールバート氏は言う。氏はアマゾンの森林破壊が気候変動に果たす役割を研究してきた。
「今回の火災は、森林伐採が原因と考えられます」
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